講演情報

[会員企画2-3]教職を支える体育における運動生理学の役割

*須永 美歌子1 (1. 日本体育大学)
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<演者略歴>
日本体育大学児童スポーツ教育学部教授・学部長。博士(医学)、専門は運動生理学。女性アスリートのコンディショニング、月経周期と運動パフォーマンス等に関する研究に取り組む。日本体育・スポーツ・健康学会理事、日本体力医学会理事などを務める。
中央教育審議会における教職課程見直しの議論では、「体育」の位置づけが大きな論点となっている。しかし、教員養成において重要なのは、体育という教科の存続そのものではなく、すべての教員が身体・健康・発達に関する基礎的理解を身につけることである。学校教育において教員は、子どもの学習を支援するだけでなく、その成長・発達を支える専門職である。近年、子どもの体力低下や運動不足、睡眠不足、メンタルヘルスの問題が指摘されるとともに、多様な発達特性や健康課題への対応が求められている。また、教員自身についても、過重労働やストレスによる心身の不調が深刻な課題となっている。このような状況において、運動が発育発達、疲労回復、ストレス応答などに関する科学的知見は、教員としての実践を支える重要な基盤となる。
 運動生理学領域は、これまで運動や身体活動が健康の維持増進、体力の向上、情動行動等に与える影響を明らかにしてきた。また、発達段階や性差、個人差に応じた身体の特徴を理解することは、多様な子どもたちを理解し支援するための基礎となる。さらに、運動や身体活動を通じた自己管理(コンディショニング)能力やレジリエンスの獲得は、教師自身のウェルビーイングの維持にも寄与する。
 本発表では、運動生理学の視点から教員養成において身体を学ぶ意義を再確認し、教員に求められる身体理解の基盤について論じる。とりわけ、運動が健康の維持増進、体力の向上、さらには身体の適応に及ぼす影響に関する科学的知見に焦点を当て、それらが子どもの成長・発達の支援や教師自身のコンディショニングにどのように活用されるべきかについて検討する。さらに、運動生理学領域の知見は日々更新されていることを踏まえ、教職体育においても科学的根拠に基づく身体理解と継続的な学びの重要性を提案する。

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