講演情報
[会員企画3-3]日本のプロスポーツにみる市民的公共性の現在共的セクターの形成にむけて
*二宮 清純1 (1. 広島大学)
<演者略歴>
愛媛県出身。2000年よりスポーツの情報やコラムを配信し、講演やシンポジウムも手掛ける事業会社、株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役社長。明治大学大学院博士後期課程修了・学術博士(Ph.D.)。広島大学特別招聘教授。大正大学地域構想研究所客員教授。著書に『森保一の決める技法』(幻冬舎2023年)など多数。
愛媛県出身。2000年よりスポーツの情報やコラムを配信し、講演やシンポジウムも手掛ける事業会社、株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役社長。明治大学大学院博士後期課程修了・学術博士(Ph.D.)。広島大学特別招聘教授。大正大学地域構想研究所客員教授。著書に『森保一の決める技法』(幻冬舎2023年)など多数。
本報告では、日本のプロスポーツにおける市民参加について論じる。なぜ、市民参加を問うのか。それは日本が民主主義を目指す国だからである。日本が制度的に民主主義国家であることは周知の事実である。だが、若者の投票率の低さやマイノリティの態度表明の困難さなど、民主主義の基底にあるべき公共性(公開的な意見表明と議論の場)は多くの問題を抱えている。
そのひとつのあらわれがスタジアム建設をめぐる議論の混乱だろう。地域住民、行政、企業が共通の意見を形成し、協働でひとつの事業に取り組むような経験が希薄な日本では、企業や行政に主導されたスタジアム建設に関する議論の場も、企業や行政の主導による説明会や公聴会に限定されている。そのため多様な人々の意見や議論が反映され難い。多様な人々や組織が議論や協働の場に参加する機会をつくるのが「共的セクター」の役割である。釜崎報告で明かされるように、ドイツではその役割をスポーツクラブが担い、多くのマイノリティを惹きつけるプロスポーツが、より多様な人々に参加の機会を提供している。
ドイツの「サポーター・オーナーシップ(多様な人々による所有)」の対極にある「集中的オーナーシップ(単独の企業による所有)」が常識となっている日本においても、市民参加の萌芽は存在している。例えば戦後の広島カープでは、一般の人々に株券が配られ、後援会が試合日程、選手スカウト、監督人事にまで強い影響力を有していた。1993年にJリーグが開幕すると、ドイツ型の運営を目指すクラブにスポットライトが当たるようになり―いくつかの試みは挫折したが―クラブの地域貢献活動や地域スポーツ支援の取り組みにおいて、市民の能動的参加の事例がみられるようになっている。本報告では、それらの事例に焦点化する。
そのひとつのあらわれがスタジアム建設をめぐる議論の混乱だろう。地域住民、行政、企業が共通の意見を形成し、協働でひとつの事業に取り組むような経験が希薄な日本では、企業や行政に主導されたスタジアム建設に関する議論の場も、企業や行政の主導による説明会や公聴会に限定されている。そのため多様な人々の意見や議論が反映され難い。多様な人々や組織が議論や協働の場に参加する機会をつくるのが「共的セクター」の役割である。釜崎報告で明かされるように、ドイツではその役割をスポーツクラブが担い、多くのマイノリティを惹きつけるプロスポーツが、より多様な人々に参加の機会を提供している。
ドイツの「サポーター・オーナーシップ(多様な人々による所有)」の対極にある「集中的オーナーシップ(単独の企業による所有)」が常識となっている日本においても、市民参加の萌芽は存在している。例えば戦後の広島カープでは、一般の人々に株券が配られ、後援会が試合日程、選手スカウト、監督人事にまで強い影響力を有していた。1993年にJリーグが開幕すると、ドイツ型の運営を目指すクラブにスポットライトが当たるようになり―いくつかの試みは挫折したが―クラブの地域貢献活動や地域スポーツ支援の取り組みにおいて、市民の能動的参加の事例がみられるようになっている。本報告では、それらの事例に焦点化する。
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