講演情報

[本部企画-S1-2]冬季スポーツの科学的サポートスキージャンプのパフォーマンス向上を目指して

*山本 敬三1 (1. 北翔大学)
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<演者略歴>
演者は北海道大学大学院にて博士(工学)を取得後、北翔大学に着任し、現在は同大学教授としてスポーツバイオメカニクスの教育・研究に従事している。専門はスキージャンプを中心とした動作分析および空気力学的評価であり、ナショナルトレーニングセンター等においてナショナルチームへの科学的サポートも行っている。多数の国内外学会賞を受賞。
本シンポジウムでは、スキージャンプ競技における科学的サポートの実践とその展望について、バイオメカニクスおよび空気力学の両側面から報告する。演者はこれまで、大学の実験室環境において光学式3次元動作分析を用い、踏切動作における関節運動および力発揮特性の解明に取り組んできた。さらに近年では、マーカレスモーションキャプチャを活用し、実際のジャンプ台における試技を対象とした計測を実施することで、飛行姿勢の変化や空力特性に基づく最適化戦略の解析を進めている。
 スキージャンプのパフォーマンスは、身体運動の最適化のみならず、空気力学的特性との相互作用によって規定される。そのため、本研究では動作分析と空力評価を統合し、競技パフォーマンスの本質に迫る学際的アプローチを採用している。この視点は、従来のバイオメカニクス単独では捉えきれなかった飛行局面の理解を可能とし、より実践的な指導への応用を実現している。
 また、これらの研究および実践的取り組みは、ナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点とも連携して実施されている。NTCにおけるサポートは、バイオメカニクスにとどまらず、医学、コンディショニング、栄養、心理、トレーニング科学といった多分野の専門家が連携することで構築されている。実際には、足圧分布計測を用いた踏切動作の評価や、検診を通じた体組成・バランス・筋力・柔軟性の測定、さらには栄養・メンタル指導など、多面的かつ横断的な支援が行われている。これにより、選手およびコーチに対して科学的根拠に基づくフィードバックが提供され、競技理解の深化と技術改善が促進されている 。
 さらに、こうしたサポートはトップ選手のみならずジュニア世代にも展開されており、長期的視点に立った育成基盤の構築にも寄与している。大学における基礎研究と、NTCにおける実践的サポートの連携は、競技現場と研究を往還する新たなモデルとして機能している。
 今後、北海道における冬季スポーツ振興においては、このような大学発の医科学的サポートが重要な役割を担うと考えられる。本取り組みは、持続可能な競技力向上と地域スポーツ文化の発展を両立する連携モデルを提示するものである。

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