セッション詳細

[PD-31]パネルディスカッション 31 乳腺外科医冤罪事件の検証:覚醒時せん妄に対するリスクマネジメント

2025年11月9日(日) 10:10 〜 11:40
第6会場
座長:佐藤 一樹(医療法人社団いつき会ハートクリニック)
乳腺手術後「胸を舐められたり、自慰行為をされた」と訴え、準強制わいせつ罪に問われていた刑事事件の差戻し控訴審で、東京高裁は「患者には複数の麻酔・鎮静・鎮痛剤が投与され、麻酔薬が通常より多く投与される一方、鎮痛剤の投与は少なく、術後に疼痛を訴えていたことから、覚醒時せん妄に陥りやすい状態にあり、それに伴う性的幻影を体験していた可能性がある」と判示した一審判決に「事実の誤認は認められない」として控訴を棄却した。
本症例に類似した覚醒時せん妄は、外科医・麻酔科医、術後ケアを担当する医療スタッフが日常業務でよく遭遇し稀ではない。再発予防として全ての診察時に女性スタッフを帯同させるという案はあるが、慢性的人員不足である複雑適合系の医療現場での実現は困難である。
本症例、本件事件を検証し、覚醒時せん妄に関連したトラブルに対するリスクマネジメント、捜査機関への対応、明らかな冤罪を不起訴とさせる方策を探る。

[PD-31-1]捜査機関・法曹・司法に対する信頼の崩壊から院内リスクマネジメントへ

佐藤 一樹1, 関根 進2, 八巻 秀人3, 水沼 直樹4 (1.医療法人社団いつき会ハートクリニック, 2.公立学校共済組合 関東中央病院, 3.医療法人財団健和会 柳原リハビリテーション病院, 4.東京神楽坂法律事務所)

[PD-31-2]覚醒時せん妄症例の手術へ至る経緯と、実際に直面した事実

関根 進 (公立学校共済組合 関東中央病院)

[PD-31-3]覚醒時せん妄患者による術後トラブルの経験と再発予防・防止について

八巻 秀人 (医療法人財団 健和会 柳原病院 外科)

[PD-31-4]術後(覚醒時)せん妄のLegal Management

水沼 直樹 (東京神楽坂法律事務所/東邦大学大学院医学研究科/福島県立医科大学)