講演情報
[101-0935]講師:澤田 辰徳 先生(東京工科大学 医療保健学部 リハビリテーション学科)
座長:福留 大輔 先生(横浜旭中央総合病院)
作業療法は「作業」に根ざした支援を通じて,その人らしい生活を実現する専門職である.対象者を理解し,生活を再構築するための作業を達成するには対象者と共につくり出す創造性が求められる.Osborneらの著名な研究では「作業療法」がAIに代替されにくい職業の上位に位置している.このことは,その創造的価値の高さを裏付けるものである.
作業療法士は,対象者の遂行文脈を読み取り,時に既存の環境を改変し,時にアイデアを具現化してその人らしい生活を支える.これは定型的なアルゴリズムで代替できるものではなく,作業療法の独自性を象徴する営みである.
一方で,作業療法の臨床での労働は,制度的効率化等の波により将来への不安に直面している者も少なくないだろう.筆者らの研究によれば,我々の業務は書類作成・間接業務の割合が多く,平均して毎日勤務時間以上の労働が発生しており,また,職務満足度の特定項目が離職リスクに影響することも明らかとなっている.所定の労働時間で各自のアイデアを展開し実行し,専門職としての価値観を保持できるかは,質の高い臨床を維持するためでなく,作業療法という仕事に達成感および持続可能な労務にも極めて重要である.
本講演では,作業療法の魅力と強みの中核を再考するとともに,改めて提示する.そして,専門性を損なわず持続可能な働き方を実現するために必要な視点を,調査データを交えて提案したい.
作業療法士は,対象者の遂行文脈を読み取り,時に既存の環境を改変し,時にアイデアを具現化してその人らしい生活を支える.これは定型的なアルゴリズムで代替できるものではなく,作業療法の独自性を象徴する営みである.
一方で,作業療法の臨床での労働は,制度的効率化等の波により将来への不安に直面している者も少なくないだろう.筆者らの研究によれば,我々の業務は書類作成・間接業務の割合が多く,平均して毎日勤務時間以上の労働が発生しており,また,職務満足度の特定項目が離職リスクに影響することも明らかとなっている.所定の労働時間で各自のアイデアを展開し実行し,専門職としての価値観を保持できるかは,質の高い臨床を維持するためでなく,作業療法という仕事に達成感および持続可能な労務にも極めて重要である.
本講演では,作業療法の魅力と強みの中核を再考するとともに,改めて提示する.そして,専門性を損なわず持続可能な働き方を実現するために必要な視点を,調査データを交えて提案したい.