講演情報
[103-1240]臨床現場から生まれた装具の社会実装
―特許取得から製品化,そして起業への挑戦―
佐々木秀一先生(北里大学病院リハビリテーション部)
認定作業療法士,一般社団法人神奈川県作業療法士会理事
本セミナーでは,北里大学病院で生まれた「北里式母指CM関節装具」の開発から製品化,さらには起業への展望までの取り組みについて紹介する.母指CM関節症に対する本装具は,故・中西浩司先生(OT)の発想に端を発し,臨床現場でのニーズを背景に,運動学的視点と画像評価に基づいて改良を重ねてきた.特許出願から特許査定までの過程では,知財コーディネーターや弁理士との連携が不可欠であり,拒絶査定を乗り越えるまでの経緯も経験に基づいて解説する.
その後,企業とのマッチングやプロトタイプ作成,臨床研究の実施(ランダム化クロスオーバー試験など)を経て,2023年に本装具は正式に発売された.研究費の獲得,学会発表,倫理申請,そして製品化に伴う契約手続きなど,多職種・多機関との連携によって得られた実務的知見は,臨床従事者が社会実装に挑戦する上で重要な示唆となる.
さらに現在進行中の特許出願や,新たな遠隔リハビリ装置の開発,AI活用によるリハプログラムの自動生成など,複数の産学連携プロジェクトにも触れながら,「作業療法士による起業」の可能性について展望を示す.臨床現場は発明の宝庫であり,日々の実践に目を向ければ多くのアイディアが存在する.セラピストが研究・開発・特許・事業化・起業へと歩む道筋を,具体的な体験を通して伝えることで,参加者が自身の臨床における発想を未来につなげる一助となれば幸いである.
その後,企業とのマッチングやプロトタイプ作成,臨床研究の実施(ランダム化クロスオーバー試験など)を経て,2023年に本装具は正式に発売された.研究費の獲得,学会発表,倫理申請,そして製品化に伴う契約手続きなど,多職種・多機関との連携によって得られた実務的知見は,臨床従事者が社会実装に挑戦する上で重要な示唆となる.
さらに現在進行中の特許出願や,新たな遠隔リハビリ装置の開発,AI活用によるリハプログラムの自動生成など,複数の産学連携プロジェクトにも触れながら,「作業療法士による起業」の可能性について展望を示す.臨床現場は発明の宝庫であり,日々の実践に目を向ければ多くのアイディアが存在する.セラピストが研究・開発・特許・事業化・起業へと歩む道筋を,具体的な体験を通して伝えることで,参加者が自身の臨床における発想を未来につなげる一助となれば幸いである.