講演情報
[10408-14-06]回復期脳卒中患者における更衣(上半身)動作の予後予測 ―入院時の体幹機能と認知機能に着目して―
*平山 康一1 (1. JA神奈川県厚生農業協同組合連合会 伊勢原協同病院)
キーワード:
ADL、更衣、回復期リハビリテーション病棟
【目的】更衣(上半身)動作の予後予測は、入院時の脳卒中機能評価(Stroke Impairment Assesment Set:以下、SIAS)やFunctinal Independence Measure(以下、FIM)、Brunnstrome stage(以下、BRS)での相関や有意差の検討はされているが、体幹機能評価、認知機能評価において具体的なカットオフ値は明確にされていない。回復期リハビリテーション病棟入棟時の体幹機能評価や認知FIMの記憶が、退院時の更衣(上半身)動作自立に影響を及ぼすか明らかにした後に、カットオフ値を算出することを目的とした。
【方法・統計解析】後方視的研究である。2021年4月から2024年3月までに入退院し、入院時のFIM更衣(上半身)が5点以下かつ、「入院中に状態が悪化した」、「意思疎通困難」、「両側に麻痺がある」、「発症前より更衣動作が自立していなかった」患者は除外対象とした。カルテより入院時の情報を抽出した。項目は年齢、性別、在院日数、疾患、Functional Assesment for Control of Trunk(以下,FACT)総点数、FACT細項目点数、BRS上肢、BRS手指、BRS下肢、SIAS視空間認知、FIM更衣(上半身)、FIM記憶、退院時のFIM更衣(上半身)の点数を抽出した。退院時のFIM更衣(上半身)が6点~7点を自立群、1~5点を要介助群に分け、比較した。検定はMann-WhitneyのU検定、χ2検定を使用した。また、自立群・要介助群を目的変数、FACTの総点数、認知FIM記憶、SIAS視空間認知、BRS下肢を説明変数としたロジスティック回帰分析を行った。有意差を認めた項目のROC解析を行い、カットオフ値も算出した。ブートストラップ法で内的検証を行った。統計ソフトはRおよびEZRを使用した。統計学的有意水準は5%とした。本研究は倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:164)。
【結果】基準にあてはまった患者88名を対象とした。自立群40名、要介助群48名であった。FACTの総点数、FACTの各項目、FIM記憶などに有意差が認められた。ロジスティック回帰分析では、FACTの総点数(オッズ比1.23、95%CI:1.08-1.39、p=0.001)が統計学的に優位に関連していた。カットオフ値は8点(AUC:0.86、95%CI:0.79-0.93、感度0.82、特異度0.83)が算出された。ブートストラップAUCは0.86であった。
【考察】更衣動作(上半身)の予後予測するための指標として、FACTが有用な指標である可能性が示された。カットオフ値は8点が抽出された。ブートストラップ法にて内的検証を行い、同等のAUCが確認されたので、今後は違うサンプルで外的検証を確認していきたい。
【方法・統計解析】後方視的研究である。2021年4月から2024年3月までに入退院し、入院時のFIM更衣(上半身)が5点以下かつ、「入院中に状態が悪化した」、「意思疎通困難」、「両側に麻痺がある」、「発症前より更衣動作が自立していなかった」患者は除外対象とした。カルテより入院時の情報を抽出した。項目は年齢、性別、在院日数、疾患、Functional Assesment for Control of Trunk(以下,FACT)総点数、FACT細項目点数、BRS上肢、BRS手指、BRS下肢、SIAS視空間認知、FIM更衣(上半身)、FIM記憶、退院時のFIM更衣(上半身)の点数を抽出した。退院時のFIM更衣(上半身)が6点~7点を自立群、1~5点を要介助群に分け、比較した。検定はMann-WhitneyのU検定、χ2検定を使用した。また、自立群・要介助群を目的変数、FACTの総点数、認知FIM記憶、SIAS視空間認知、BRS下肢を説明変数としたロジスティック回帰分析を行った。有意差を認めた項目のROC解析を行い、カットオフ値も算出した。ブートストラップ法で内的検証を行った。統計ソフトはRおよびEZRを使用した。統計学的有意水準は5%とした。本研究は倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:164)。
【結果】基準にあてはまった患者88名を対象とした。自立群40名、要介助群48名であった。FACTの総点数、FACTの各項目、FIM記憶などに有意差が認められた。ロジスティック回帰分析では、FACTの総点数(オッズ比1.23、95%CI:1.08-1.39、p=0.001)が統計学的に優位に関連していた。カットオフ値は8点(AUC:0.86、95%CI:0.79-0.93、感度0.82、特異度0.83)が算出された。ブートストラップAUCは0.86であった。
【考察】更衣動作(上半身)の予後予測するための指標として、FACTが有用な指標である可能性が示された。カットオフ値は8点が抽出された。ブートストラップ法にて内的検証を行い、同等のAUCが確認されたので、今後は違うサンプルで外的検証を確認していきたい。