大会長挨拶
第37回大阪府理学療法学術大会開催にあたって
第37回大阪府理学療法学術大会
大会長 谷埜 予士次
関西医療大学
この度、2025年7月6日(日)大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて、第37回大阪府理学療法学術大会を開催させていただきます。学術大会への参加や演題発表は必ず理学療法学の発展に貢献します。臨床活動のみをおこなう場合、自身の理学療法士人生において出会う(担当する)方の将来にしか影響を与えることができません。しかしながら、自身の経験を症例報告として、または研究活動の成果として公表することは多くの理学療法士に有用な知見を提供することになります。本学術大会は開催規定から若手の理学療法士にもその役割を担ってほしいとの思いが込められています。経験の浅い理学療法士が成果発表に至るまでには、多くの先輩や他職種の方と「協働学習」をしていく必要があろうかと思います。この協働学習の過程を通して、指導を受ける側だけではなく、指導する側にもレベルアップの相乗効果が生まれ、大阪府士会員のさらなる質の向上に貢献できるものと思われます。このような思いを込めて本大会のテーマを「啐啄同時に向けた協働学習」としました。啐啄同時とは、鳥の雛が卵から出ようと鳴く声と、母鳥が外から殻をつつくのが同時という意味であり、まさに学ぼうとする者と教え導く者の息があって、好機を得るという意味になります。
このテーマをもとに教育講演では「リスク管理を味方にした攻める理学療法の実践~リスクとチームを味方につける~(仮)」と題して、聖隷クリストファー大学の有薗信一先生にご講演いただきます。新人理学療法士に限らず、我々が臨床現場で最大の能力を発揮するためにはリスク管理という守備を確実にできるということが重要となるため、このような教育講演を企画いたしました。また、「学術大会発表を起案して成長させる協働学習の重要性」と題したシンポジウムも企画しました。このシンポジウムでは、これまでの本学術大会にて成果発表をおこなった経験のある理学療法士にシンポジストとしてご登壇いただき、成果発表に至った動機、準備、そして発表後にはどのような変化があったのかを話題提供していただきます。そしてベテランコーディネータの進行のもと展開し、今後の学術大会での成果発表に挑戦していく上での手がかりを与えることができればと期待しております。
さいごに、みなさまが普段の臨床場面から患者を中心に協働学習し、本大会における成果発表が啐啄同時の場となるよう、準備委員一同、尽力する所存です。
多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。