セッション詳細

[S09☆]脂肪細胞の光と影 ― 生理的機能と病態への転化

2026年3月27日(金) 9:30 〜 11:30
第20会場 (D302 第3学舎4号館 D棟 [3F])
オーガナイザー:濵田 浩一 (昭和薬大)、厚味 厳一 (帝京大薬)
白色の脂肪組織は、単なるエネルギー貯蔵器官ではなく、アディポカインなどを分泌する内分泌臓器であるとの位置づけが確立されつつある。また、成人における褐色脂肪組織は、代謝調節や体温維持、さらには健康寿命の延伸に関わる可能性が示唆されており、脂肪組織が全身の恒常性維持に深く関与することは明らかである。また、脂肪組織は、極めて動的な脂肪細胞の集団で形成されていることも示されており、脂肪細胞は単に「増える」「減る」といった量的な変化だけでなく、質的な変化を通じて全身の代謝に影響を与えることが示唆される。以上の観点から、脂肪細胞研究は生活習慣病の理解や新規治療法の開発に直結する重要分野であり、基礎から臨床まで幅広い視点での議論が求められている。
本シンポジウムでは、脂肪細胞が担う様々な生理的機能から、量的や質的な制御の破綻が病的状態へとつながる側面、すなわち「脂肪細胞の光と影」に焦点を当て、脂肪細胞を制御する重要性と今後の研究展望について議論したい。具体的には、白色脂肪細胞の量的な制御機構に加え、健康維持や老化などにおける褐色脂肪細胞や白色脂肪細胞の量的や質的な制御に関して、脂肪細胞の「光」と「影」の面から議論する。また、「影」の側面として、培養環境による脂肪細胞の質の違いや、脂肪組織の量的変化を標的とした肥満症の治療戦略を取り上げ、議論を深めたい。

なぜ脂肪細胞に注目するのか?
濵田 浩一(昭和薬大)

[S09-1]IRBITによる白色脂肪細胞分化制御

○濵田 浩一1、御子柴 克彦2、水谷 顕洋1 (1. 昭和薬大、2. 上海科技大)

[S09-2]褐色脂肪によるエネルギー代謝・体脂肪調節:ヒトでの最新知見

○斉藤 昌之1 (1. 北大院獣医)

[S09-3]転写抑制因子PARIS (ZNF746) を介する脂肪組織の質の制御

水之江 雄平1、野崎 優香1、○樋上 賀一1 (1. 東京理大薬)

[S09-4]脂肪細胞の質を決めるものは何か?

○厚味 厳一1、石橋 賢一1 (1. 帝京大薬)

[S09-5]脂肪細胞の研究経験に基づくプライマリーケアー医による統合的肥満症治療

○前田 和久1 (1. 医療法人ロングウッド 前田クリニック)

脂肪細胞研究の進むべき道
厚味 厳一(帝京大薬)