セッション詳細
[S59☆]GPCR薬学2.0:先進技術が拓く新たなフロンティア
2026年3月29日(日) 9:30 〜 11:30
第19会場 (A301 第3学舎1号館 A棟 [3F])
オーガナイザー:寿野 良二 (関西医大)、斉藤 毅 (筑波大医/国際統合睡眠医科学研究機構)
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は生体機能を広範に制御し、上市医薬品の約30%が標的とする最重要膜タンパク質である。従来、立体構造情報に基づく薬剤設計(Structure-Based Drug Design: SBDD)は有効とされてきたが、構造決定の負担が大きいことが課題であった。近年、クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)の飛躍的進展により、活性・不活性を含む多様状態のGPCR構造を迅速かつ高分解能で取得できるようになり、状況は大きく変わりつつある。さらに、薬理学的解析の高度化、分子動力学(MD)シミュレーションの精緻化、AIによる構造予測やコンストラクト設計の実装により、偏向的シグナル伝達やサブタイプ選択性の分子機序解明が加速している。これらの動的・静的情報の統合は、合理的で革新的なGPCR創薬を下支えする。一方、内因性リガンドが未同定のオーファンGPCRがなお相当数残されており、その生理的役割の解明は新規標的の創出に直結する。重要なのは、機能解明→構造決定→リガンド設計→機能検証の循環を確立し、オーファンGPCR研究とSBDDを相互に駆動させることである。これにより、従来手つかずであった領域にも戦略的アプローチが可能となる。本シンポジウムでは、cryo-EM、高次薬理解析、MD、AI設計などの最新技術と実装例を紹介し、それらの統合が切り拓く「GPCR薬学2.0:先進技術が拓く新たなフロンティア」を展望する。
オープニングリマーク
斉藤 毅(筑波大IIIS)
[S59-1]GPCR構造薬理学の革新:迅速な構造決定からシグナル伝達の動的解明まで
○川上 耕季1、加藤 英明1 (1. 東大先端研)
[S59-2]痒み・がんに関連するボンベシン受容体のクライオ電顕構造解析:サブタイプ選択的阻害薬設計に向けた基盤
○寿野 良二1、井上 明俊1 (1. 関西医大医)
[S59-3]重炭酸イオン受容体の生理機能と病態形成への関わり
○城(渡辺) 愛理1 (1. 慶應大医)
[S59-4]構造-シグナル相関に基づくGPCR標的創薬
○斉藤 毅1,2,3、井上 飛鳥4,5、寿野 良二6 (1. 筑波大医、2. 筑波大TIAR、3. 筑波大WPI-IIIS、4. 京大院薬、5. 東北大院薬、6. 関西医大医)
