講演情報

[O-6-18]血圧啓発イベント「血圧測ろうぜ!」による市民の行動変容

土井 真喜1,5, 西垣 賢2, 高橋 祐介3, 平子 庸志4 (1.(株)メディカルシステムネットワーク 地域薬局事業部, 2.(株)関西メディコ 地域政策部, 3.クオール(株), 4.アイングループ (株)アインホールディングス, 5.健康ハートの日 血圧啓発プロジェクト 薬局代表メンバー)
【目的】我が国の高血圧有病者は約4,300万人と推定され、そのうち1,400万人は自身が高血圧であることを認知していない状況である。そこで我々は、健康ハートの日2024の血圧啓発イベントとして「血圧測ろうぜ!」を企画し、全国の薬局・薬店10,239店舗で展開した。本イベントに参加した一般市民に対しアンケート調査を行い、今後の課題を検討した。
【方法】2024年7月28日~8月10日に血圧啓発イベントに参加し、初回アンケートに回答した一般市民542名を対象に、イベント実施から1か月後にフォローアップアンケートを実施した。調査内容は、年齢・性別および血圧啓発による行動変容(9項目)であった。行動変容が起った割合と対象者属性によるクラスター分析をJMP® Pro18を用いて実施した。
【結果】回答割合は18.8%(102/542名)であり、そのうち男性の割合は41.2%であった。行動変容は、「塩分控えめの食事を心がけた」が73.5%、「自宅にあった血圧計で測定を再開した」が46.1%、「運動療法として定期的に有酸素運動を開始した」が35.3%であった。クラスター分析では、40~59歳の男性群全員が血圧測定行動をとった。60歳以上の男女群では、受診行動が76.9%にみられ、新たな降圧剤の服用が73.1%で開始された。
【考察】本研究では、血圧啓発活動により、参加者の7割以上が塩分控えめの食事を意識した。さらに、60歳以上の高齢者層で血圧に関する受診行動がみられた。これらの結果から、血圧に関する知識の向上が具体的な行動変容を促進している可能性が考えられる。今後は、個々の血圧状況を考慮しながら、必要な行動変容が実際に生じているかを検証し、効果の持続性を確認したい。また、本研究により、血圧に関する知識普及の重要性が再確認された。引き続き、血圧管理に関する啓発活動を積極的に推進していきたい。