講演情報

[O-6-19]認知症の方が住みやすい街づくりをめざして 桑園認知症ケア研究会(通称 オレンジ桑園)の活動

相山 千晴1, 橋本 茂樹2, 中野 正剛3, 小川 香織4, 菅原 淳5, 野間 友一郎6 (1.(株)なの花北海道 なの花薬局 桑園店, 2.医療法人 渓仁会リハビリテーション病院, 3.市立病院前老年内科メモリークリニック, 4.(株)ナカジマ薬局, 5.(株)なの花北海道 なの花薬局 道南事業部, 6.道央事業部)
【目的】現在人口約3万人の北海道札幌市桑園地区には、65歳以上の高齢者は約7500人、その中で認知症高齢者は約800人いる。薬がきちんと飲めない、会話がかみ合わない、受診の日が分からないなど地域薬局薬剤師が認知症の兆候に気づくことがあり、その時どう対応していくか考えることが多くある。今後高齢化が進み、さらに認知症の人口は増えると想定される。桑園認知症ケア研究会(以下オレンジ桑園)は、認知症サポート医、地域薬局薬剤師、看護師、ソーシャルワーカー、ケアマネージャー、まちづくりセンター長、認知症家族の会の会員など様々な職種で構成されている。チームにより認知症の方を地域で支えられる街を目指し、「桑園モデル」を構築して活動している。今回、札幌市「桑園」から「北海道」、「全国」と活動の輪を拡げることを目的とし、オレンジ桑園の活動と、その中で明らかになった認知症関連のニーズや対策について報告する。
【活動内容】認知症の方や認知症家族の方が悩みや今後の対応を無料で相談できる認知症ケア相談会の開催、札幌市中央区第一地域包括支援センターと共催し認知症サポーター養成講座を開催、桑園小学校学童家族への認知症関連ニーズ調査をしている。又、オレンジ桑園の活動に賛同した桑園地区の飲食店や医療施設等にオレンジ桑園ステッカー貼付の依頼、ウォーキングイベントであるRUN伴への参加、チャリティーイベントへの参加等を通して啓蒙活動をしている。
【考察】認知症関連ニーズ調査では認知症の知識がある方が認知症に対する不安が少ないと答えた人が多く、桑園の住人が認知症の方への接し方の知識を持つことが大切である。そして悩んだ際の相談先があることを認識してもらいたい。オレンジ桑園のような様々な職種の取り組みが認知症の方だけでなく高齢者、障害者にとっても暮らしやすい街づくりの一助となると考える。今後、その活動の輪を、より拡げていきたい。