講演情報

[5OlXCzC1-04]日本における自殺死亡の都市農村格差の男女差:全国市区町村レベルのベイズ空間疫学研究

*香田 将英1、原田 奈穂子2 (1. 岡山大学学術研究員医歯薬学域地域医療共育推進オフィス (日本)、2. 岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学研究学域看護科学分野 (日本))
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キーワード:

自殺、都市農村格差、性差、ベイズ空間疫学、持続可能な開発目標

【背景】自殺は世界的な公衆衛生課題であり、持続可能な開発目標(SDG)3.4は精神保健の推進と自殺予防を求めている。日本では年間約2万人が自殺で亡くなるが、地理的格差における男女差の検討は不十分であり、性差を踏まえた予防策の立案には性別層化分析が不可欠である。
【方法】2017〜2019年の人口動態統計を用い、全国1,890市区町村における自殺死亡58,584件(男性40,286件、女性16,252件)を対象とした生態学的研究である。地理的へき地度(Rurality Index for Japan: RIJ)および地域剥奪指標(Area Deprivation Index: ADI)を説明変数とし、空間的自己相関を考慮したベイズ空間ポアソンモデルにより、へき地度と自殺死亡との関連を性別層化して推定した。ADI調整前後の率比(RR)の変化量から、地域剥奪がへき地度・自殺関連をどの程度説明するかを定量化した。
【結果】全体ではへき地度と自殺死亡に明確な関連はなかった(調整RR 0.985、95%信用区間0.965–1.006)。しかし性別層化では、男性RR 0.952(0.925–0.979)、女性RR 0.767(0.716–0.820)と、いずれも都市部において自殺死亡リスクが高いことが示された。都市部での超過リスクは女性で男性より大きく、女性では都市部の自殺リスクが農村部の約1.3倍であった。地域剥奪は女性における都市部の超過リスクの約20%を説明したが、男性では抑制因子として作用し、剥奪調整後に都市部での超過リスクがより明確となった。
【考察】全体解析では検出されない性別特異的な都市部における自殺リスクの集中が存在し、女性でより大きかった。SDG3(すべての人に健康と福祉を)の達成には、都市部における性差に配慮した自殺予防策が重要であり、特に女性に対する経済的不安定、社会的孤立、住居不安定への包括的支援が求められる。

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