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[会員企画3-2]レアル・マドリード、バルセロナに見るスペインのソシオ制サッカークラブの今後Athletic Clubs Becoming “Objects of Devotion” as Local Public Goods

*Ichiro Ozawa1 (1. Journalist(The Association of Foreign Press in Spain))
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<演者略歴>
京都府出身。早稲田大学卒業後、スペインでサッカージャーナリストとしての活動を開始。日西両国での育成年代の指導経験を活かした戦術・育成論に定評がある。2024年から再びスペインに在住し、LALIGAの専属解説や各種メディアへの寄稿、YouTube等で幅広く活躍中。
欧州プロサッカーのグローバル・ビジネス化が加速し、プレミアリーグの強豪やパリSGに代表される外資・オイルマネー、世界規模の投資ファンドの資本がビッグクラブに注入される中、スペイン(LALIGA)におけるクラブと地域社会のあり方は独自の様相を呈している。1990年代の法改正以降、大半のクラブが株式会社化(S.A.D.化)され、ソシオ制クラブが激減した歴史を持つスペインにおいて、現在もソシオ(会員)制を維持しているのは、レアル・マドリード、FCバルセロナ、アトレティック・クラブ、CAオササナの4クラブのみである。
 本報告では、この激変の歴史を振り返りながら、ソシオ制クラブの現状と課題を「コモン・セクター」の視点から分析する。まず、未だ地域住民中心のソシオに支えられながらも、世界プロサッカークラブの中でトップクラスの売上高を誇るレアル・マドリードとFCバルセロナを経営面の観点から比較・分析する。その上で、2026年に行われた両クラブの会長選挙において、それぞれ再選を果たしたマドリーのフロレンティーノ・ペレス会長と、バルサのジョアン・ラポルタ会長の経営手法、および選挙公約にフォーカスを当て、商業化の圧力に晒されるソシオ制クラブの今後について展望する。
 さらに、人口約220万人のバスク州を拠点に、バスク人のみの選手構成という独自の哲学を貫きながら高い競争力を維持するアトレティック・クラブの事例をピックアップする。同クラブが掲げる「Unique in the World」という言葉の通り、バスクにおいてクラブは単なるスポーツ組織を超え、地域住民にとって「信仰の対象」とも言える宗教的意味合いを持つ共同所有資源(コモンズ)へと昇華している。これらの事例を通じ、グローバル市場における競争力と、ローカルな地域公共財としてのアイデンティティがいかに共存し得るかを考察したい。

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