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[3]建築・都市分野におけるポスト人間中心主義的マテリアリズムの理論的潮流マテリアル・ターン以降の主要概念に着目して

○新 雄太1 (1. 東京大学)
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キーワード:

ポスト人間中心主義的マテリアリズム、アクターネットワーク理論、ニューマテリアリズム、ソシオマテリアリティ、レビュー

現代は、人間中心主義がもたらした地球規模の環境負荷に直面する「人新世」の時代であり,物的環境を前提とする建築・都市分野がもたらす影響力は大きい.本稿は,1980年代以降の物質論的転回(マテリアル・ターン)以後の非人間的存在にも行為主体性を認めるポスト人間中心主義的マテリアリズム(PAM)の建築・都市分野における理論的潮流を確認することを目的とする。物質論の歴史的変遷を概観するとともに,PAMの主要概念であるアクターネットワーク理論やニューマテリアリズム,ソシオマテリアリティの問題意識や特徴を整理した.PAMは,建築や都市を固定された静物ではなく,生成する動的な関係性の媒体として再定位し,建築や都市環境の新たな倫理と実践を拓く今後の理論的土台の一つとなるであろう.