講演情報
[7]大規模開発従前従後の来訪パタンからみた周辺地域における回遊行動の変化に関する研究都市再生特別地区におけるケーススタディを通じて
○天谷 太一1、岡田 潤1、出口 敦1 (1. 東京大学大学院新領域創成科学研究科)
キーワード:
都市再生、再開発、回遊行動、来訪パタン、ウォーカブル、GPS
本研究は、大規模開発の従前従後の人々の来訪パタンからみた周辺地域における回遊行動の変化の傾向を明らかにすることで、来訪パタンに着目した大規模開発の影響評価に関する示唆を得ることを目的とし、二つの都市再生特別地区における2時点の人流データを用いて、以下を明らかにした。1) 再開発に伴う鉄道駅との接続性向上により、平均滞在時間からみた周辺地域における回遊行動が、鉄道駅近傍で均質化する傾向が見られた。 2) ミクストユースの開発が行われた結果、特に対象敷地内の従業者の対象敷地内での平均滞在時間が増加し、行動範囲が縮小傾向にあった。 3) 公共貢献としてのペデストリアンデッキや地下通路等の整備により、周辺地域の人々の生活動線や通勤経路として、対象敷地が利用されるようになった。 4) 平日に対象敷地内で長時間滞在する周辺地域の居住者が増加したが、彼らの周辺地域での滞在時間が減少していた。 5) 周辺地域における集客施設等の立地や公共貢献の取り組み内容等の違いが、再開発による人々の回遊行動の変化にも影響を与えていた。 6) 回遊行動の実態を把握し、再開発の影響分析を行ううえで、GPSデータを活用する方法論を提示した。
