講演情報
[32]基礎自治体管理の都市公園における芝生修景評価の現状と課題―千葉県下の目標・実態ギャップと管理体制に着目して―
○永村 景子1 (1. 日本大学)
キーワード:
芝生修景、グラウンドカバー、都市公園、基礎自治体、維持管理手法
本研究は、千葉県内の基礎自治体が管理する都市公園において、芝生等のグラウンドカバーの修景状態と管理体制の実態を明らかにし、修景評価手法の枠組み構築を試みたものである。アンケート調査、現地踏査、ヒアリング調査を通じて、管理者の意識、季節変動を伴う芝生の状態、および維持管理に関する実務的判断を多面的に把握した。調査の結果、芝生の修景状態と管理目標の間には一定の乖離が存在し、その背景には予算・人員・専門性の差異などがあることが示された。また、芝生修景状態は季節によって大きく変動し、単一時点での評価では実態を捉えきれないことが明らかとなった。こうした実態を踏まえ、草丈の均一性、裸地の有無、雑草の混入状況の3項目に基づく視覚的指標による定量的な評価枠組みを提示し、比較可能かつ実務適用可能な評価手法の可能性を示した。今後は、地域特性や利用目的を加味した柔軟な管理方針の構築と、その実効性を高めるための支援ツールの整備が求められる。
