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[43]地方都市の市街化調整区域に存在するDIDの実態と区域区分制度上の課題に関する研究

○丸岡 陽1、松川 寿也1 (1. 長岡技術科学大学)
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キーワード:

人口集中地区、区域区分制度、市街化区域編入基準、基盤整備

市街化調整区域は原則として市街化を抑制するべき区域であるが、市街化区域編入が可能な既成市街地要件を満たす既存集落や住宅団地等が存在する。本研究は、全国の地方線引き都市の調整区域既成市街地の実態と編入の可能性を把握し、区域区分制度を始めとする都市計画行政の課題を明らかにすることを目的とする。分析の結果、調整区域既成市街地は全国74市町に160地区存在し、その形成経緯は線引き前の集落からごく最近の開発地まで多様であった。また都市計画マスタープランで住居系土地利用の方針を有するものは多いが、編入の方針を有するものは僅かである。大規模な調整区域既成市街地のある都市でも、全市的な立地適正化計画との整合性や都市基盤の状況を背景に、編入に慎重な立場を示した。これらを踏まえ、既成市街地要件に将来性に関する基準を追加すること、調整区域既成市街地を存置する場合もそのモニタリングが必要であることを提言した。