講演情報

[54]LRTの国家的な事業評価マニュアルの日英比較に関する研究

○大橋 由依1、森本 章倫2 (1. 早稲田大学大学院 創造理工学研究科 、2. 早稲田大学 理工学術院)
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キーワード:

LRT、トラム、事業評価、費用便益分析、TAG

近年、持続的なネットワーク型コンパクトシティの形成を支える地域公共交通として、次世代型路面電車LRTの導入が検討されている。ところが実装に至った事業はごく僅かである。LRTのような中量輸送の軌道システムは、多様な間接的便益を生みだす社会的価値の高いインフラである反面、我が国の事業評価で扱われる便益項目だけでは採算性が採れないのである。そこで本研究では、このような我が国の事業評価マニュアルと、トラムの導入が日本より進む英国の国家的な事業評価ガイダンスTAGを、間接的便益項目の位置付けを中心に比較した。大きな相違点として、地域経済に関する波及的な項目が費用便益分析の中に段階別に組み込まれることを確認し、この広範な経済項目の追加により、芳賀・宇都宮LRT事業の費用便益分析が微増するという試算結果を得た。