講演情報
[58]都市計画的観点に基づく洪水浸水想定区域内人口増減の全国的な定量分析洪水浸水想定区域内の人口増加は、どの都市計画上の地域でどれほど全国的に起こっているのか
○小林 孝1、片山 茜2、林 洋一郎3、森川 裕貴3、波多野 由基3、菊池 雅彦4 (1. 東京都北区、2. 国土交通省、3. 日本工営株式会社、4. 埼玉大学大学院理工学研究科)
キーワード:
流域治水、防災まちづくり、洪水浸水想定区域、人口増減
流域治水や防災まちづくりに関する取り組みが進められている一方で、洪水浸水想定区域内の人口が増加しているとの指摘がある。本研究では、洪水浸水想定区域内の人口増減について、全国的な傾向を定量的に明らかにし、これを都市計画的観点から分析した。その結果、洪水浸水想定区域内の全国人口は増加しており、市街化区域内で一貫して増加している一方、それ以外の市街化調整区域等では減少していた。また、洪水浸水想定区域内人口が増加している場所の半分近くは市街化区域に存在し、そこで7割~8割の人口増加が起こっていた。さらに、人口増加が著しい地域を抽出したところ、大都市部が多くを占めることが分かった。これらのことから、浸水想定区域内人口の増加は、概ね都市部への人口流入に伴って発生していることが強く示唆される結果となった。
