講演情報

[69]米国カリフォルニア州のPBIDにおける負担金設定に関する研究

○大島 陸人1、堀 裕典1 (1. 岡山大学)
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キーワード:

BID、負担金設定、負担金制度、エリアマネジメント、カストロ、ハリウッド

本稿では、2018年に創設されて以来活用事例が少ない地域再生エリアマネジメント負担金制度の活用を促進するための知見を得るために、カリフォルニア州の114BIDの書類調査と8人のBID関係者に対するインタビュー調査を実施した。結果として、負担金設定時に考慮されている5つの要素が明らかになった。それらは、建築面積、敷地面積、接道距離、土地利用、Benefit Zoneであった。結論では、日本の負担金制度のガイドライン内の記述と、カリフォルニア州のPBID関係者に対するインタビュー調査に基づき、負担金設定における考え方を事業コスト、経済効果、個々の受益、個々の負担の観点から整理し、比較した。その後、日本における負担金制度活用に向けた今後の方向性を2つ提案した。1つ目は、経済効果に対する考え方についてである。定量的な分析という推定に基づくのではなく、活動実績と負担者の効果の感じ方という事実に基づいて効果を把握するべきであるとした。2つ目は、負担金設定の方法についてである。日本では現在、負担金設定の方法が確立されていないが、カリフォルニア州のPBIDでは区画要素を考慮して受益の大小関係を算定することで負担設定が行われている。この方法は統計データに基づくため、負担者にとって納得感のある負担金設定が実現できると考えられるとした。