講演情報
[87]東京都練馬区の農住混在地域における農的空間の類型化に関する研究−高松一・二・三丁目農の風景育成地区を事例として−
○田中 麻美子1、木下 光2 (1. 奈良女子大学大学院 人間文化総合科学研究科、2. 関西大学 環境都市工学部 建築学科)
キーワード:
農的空間、連担性、農の風景育成地区制度、農住混在地域、練馬区
近年、都市農地の保全や活用を促進する法制度の整備が進められる一方で、具体的な地域に即した計画手法の構築に向けた空間形態に関する検討の蓄積は不十分である。本研究では、東京都の「農の風景育成地区制度」の指定地区をケーススタディの対象として、農的空間の構成要素の整理と位置の特定を行い、同一の所有者の農地と宅地が地続きで繋がる「単独連結型」を最小単位とし、多様な農的空間により構成される「複合連結型」と「複合連担型」により、農地と屋敷林がまとまって残る風景が成立していることを明らかにした。類型の空間的まとまりを維持し、なおかつ類型内の一体性を阻害しない境界部の設えや多様な所有、管理・運営の下にある農的空間の一体的な利用や運用を可能にする仕組みを創出することで、農的空間の多面的機能を最大化させ、農の風景の持続的な保全・育成の実現を可能にすることが期待される。
