講演情報

[88]街区公園の機能分担および統廃合に向けた立地特性と事業プロセスの分析政令指定都市を対象として

○山崎 嵩拓1、坂井 文2 (1. 東京大学、2. 東京都市大学)
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キーワード:

ストック再編、人口減少、少子高齢化、緑地、住民参加

日本における人口減少と高齢化の進行に伴い、街区公園をめぐって三つの主要な課題が顕在化している。すなわち、公園施設の老朽化、公園の機能と地域住民のニーズとのミスマッチ、そして維持管理コストの増加である。本研究では、これらの課題に対応するための方策として、複数の街区公園を同時に再整備する「機能分担」と「統廃合」の二つの地域内再編アプローチに着目した。政令指定都市を対象に、街区公園の誘致圏内における他の街区公園の密集状況と、将来的な高齢化の進行を分析し、先進的な地域内再編事例の事業プロセスの特徴を明らかにした。その結果、公園密度が高い「公園密集型」や、高齢化率の増加幅が大きい「超高齢化型」が存在することが明らかとなった。事例分析からは、行政主導型と住民主導型の両方のアプローチが確認され、いずれの事例においても公民協働による事業プロセスが展開されていた。今後、全国的に地域内再編の取り組みを進めるにあたっては、公園が密集している地域を対象に、自治体が町内会などに対して事業実施を呼びかけ、合意が得られた地域から優先的に事業を進める方式が有効であると考えられる。