講演情報

[91]ジュネーヴ「国際機関地区」における 「国連広場」第2回設計競技案に関する検討

○中村 茉生1、堀田 典裕1 (1. 名古屋大学)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

国連広場、国際機関地区、ジュネーヴ、緑地、歩車分離、都市軸

ジュネーヴの都市計画について、1948年の緑地計画に基づく「質の高い緑地」が評価されてきた。1956年に行われた「国連広場」第2回設計競技は、こうした緑地整備の試金石となったと考えられる。本稿は、ジュネーヴの都市計画と「国連広場」設計競技の要綱について整理し、「国連広場」第2回設計競技の空間的特質を明らかにし、4 回に及んだ同広場の設計競技とジュネーヴ都市計画の変容に対する位置付けを検討する。全4回の「国連広場」設計競技は、新市街地拡張部分の周縁道路と、新旧市街地を結ぶ道路における、緑地帯と道路景観あり方を問うものであり、第2回設計競技では、これらの道路に関する沿道整備が、設計競技参加建築家に一任された。こうした第2回設計競技上位 5 案において、広場を市街地側の街区と一体的に整備する事例と、「国際機関地区」側の地形と一体的に整備する事例という、大きく異なる 2 つの方針が提示された。最終案では、レマン湖岸から連続する緑地帯が整備され、後のマスタープランに取り込まれた。