講演情報

[99]子ども食堂・フードバンクによる都市近郊農地を活用した農的活動と食料自給に関する基礎的研究

○野原 康弘1 (1. 宇都宮大学)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

食料自給、都市近郊農地、子ども食堂、フードバンク

本研究は日本におけるフードバンクや子ども食堂による農地運営の取組を調査し,その運営実態について明らかにすることで,フードバンクや子ども食堂による農地運営のモデルを整理し,その展開可能性についての知見を得ること目的としている.5つの事例を対象にヒアリング調査を行った.本研究の位置づけとして,他者への食料支援を担うフードバンクや子ども食堂の農的活動は「他者への食料支援のために野菜等を育てる」ことを主目的とする点で,既往研究で整理されてきた非農家による農的活動とは異なると考えられ,新たな知見を得ることができる.調査結果より,農園は都市近郊農地を活用して非農家によって開設されていた.農園開設の目的は,フードバンクや子ども食堂で使用する食材を自給もしくは提供する目的,子どもたちの食育や体力づくりなどの体験の充実を図る目的に分けられた.5つの農園のうち2つの農園で収穫された野菜は,子ども食堂で使われる野菜の5割以上を補っていた.すべての農園が無農薬栽培であった.