講演情報

[126]民間施設等を活用した大規模水害時の域内避難の可能性の検討―江東5 区の民間施設へのアンケートを踏まえた推計―

○則竹 桃実1、四井 早紀2、大津山 堅介2、廣井 悠2 (1. エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ株式会社、2. 東京大学 先端科学技術研究センター)
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キーワード:

水害避難、広域避難、域内避難、民間施設活用

海抜ゼロメートル地帯では、大規模水害による長期的な浸水リスクを踏まえて、行政界を超えた広域避難が推奨されている。一方で、交通の問題等を理由に、広域避難の実現の難しさも指摘されており、広域避難一択ではなく、浸水区域内避難(域内避難)とのバランスを考慮した避難の最適化が求められている。先行研究では、このバランスの重要性への指摘は複数あるが、具体化の検討は少なく、特に逃げ遅れ者発生を想定した検討が不十分である。本研究では、江東5区(墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区)の民間施設へアンケート調査を行い、その結果に基づいて町丁目別に逃げ遅れた場合に人命の危機にさらされる人数を推計した。その結果、各町丁目の当該人数とその発生要因を分析でき、広域避難と域内避難のバランスの検討に資する知見として、域内避難の可能性のある町丁目を抽出できた。