講演情報
[127]大規模地震後における超高層マンション居住者のライフライン被害別の避難先選択に関する研究―東京23区を対象として―
○山本 薫1、松行 美帆子1 (1. 横浜国立大学)
キーワード:
超高層マンション、大規模地震、避難先、ライフライン、在宅避難、東京23区
本研究は、東京都23区に居住する超高層マンション住民を対象に、大規模地震発生後の避難先の選択において、季節やライフラインの稼働状況がどのように影響するかを明らかにすることを目的とした。オンラインアンケートにより1,060件の有効回答を収集し、電気、水道・トイレ、エレベーターの稼働状況を組み合わせた10のシナリオを、冬・春・夏の3つの季節に設定して分析を行った。その結果、ライフラインの停止、特に電気や水道・トイレの利用不可が在宅避難の選択を大きく抑制することが明らかになった。また、夏季は他の季節と比較して在宅避難の選択割合が有意に低いことが示された。混合ロジスティック回帰分析により、避難場所の選択には建物や個人・世帯の属性、家庭やマンションにおける防災対策など複合的な要因が影響しているが、とりわけライフラインの稼働状況が最も強い影響を与えていることが確認された。さらに、加えて、12歳以下の子どもや要介助者がいる世帯では自宅以外を選択する傾向が強い一方で、65歳以上の高齢者がいる世帯では自宅に留まる傾向がみられた。
