講演情報

[128]アクティビティモデルによる歩行者行動を反映した施設圏域の汎用的可視化手法の構築ー豊洲地区を対象としてー

○堀 秀宇1,2、柳沼 秀樹2、寺部 慎太郎2 (1. 東京大学大学院、2. 東京理科大学)
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キーワード:

アクティビティモデル、歩行者、施設圏域、確率等高線マップ、商圏

近年、人口減少や高齢化の進行に伴い、徒歩や公共交通を主要な移動手段とした都市再開発が世界的に増加している。将来の都市設計において、歩行者の利用頻度や公共性の高い施設の圏域を適切に推定することは、商業施設の集客ポテンシャル評価や学校・公園・医療施設の配置計画に直結する。従来の圏域推定は同心円、ボロノイ分割、グラビティモデルなど距離や規模に基づく経験則的手法が中心であったが、地形・経路形状・競合関係・利用者属性など多様な要因を十分に反映できず、時系列シミュレーションや政策評価にも限界があった。本研究は、商業施設と公立学校という異質な施設を対象に、行動実績データを用いた日単位のトリップチェーン再現型ABMを構築し、距離に加え地理的制約や施設属性を考慮した確率等高線マップを生成する。さらに、商業施設ではボロノイ分割図、学校では既存学区との比較により再現性を検証し、提案手法が多様な施設に適用可能であることを示す。これにより、新規施設立地や都市構造変化に伴う圏域変化の予測にも資する汎用的分析枠組みを提示する。