講演情報
[129]選択肢集合の異質性を黙示的に考慮した買い物目的地選択モデル全国の地方都市を対象とした実証分析
○宮川 朋也1、石井 良治1、栁沼 秀樹2 (1. 一般財団法人 計量計画研究所、2. 東京理科大学)
キーワード:
目的地選択、選択肢集合、汎化性能、行動モデル
立地適正化計画をはじめとする中心市街地のにぎわいを取り戻す施策では,対象地域における居住者の買い物行動特性の把握,とりわけ個人がどこへ買い物に行くのか,なぜそこが買い物の目的地として選ばれたのか,などの買い物目的地選択行動を精緻に分析することが適切な施策検討・評価を実施する上で求められる.本研究では,選択肢集合の列挙を必要とせずに異質性を比較的容易に考慮することが可能なImplicit Availability/Perception(IAP)の概念を援用したIAP-MNLモデルを構築し,令和3年度全国都市特性調査の行動実績データを用いた実証を行う.パラメータ推定の結果,IAP-MNLはMNLで推定したモデルとほぼ同様なモデルの適合度を有することが確認された.また,MNLとIAP-MNLのそれぞれで最も適合度が良かったものを対象に,RMSE・MAE・Accuracyなどの指標を用いて他地域に対する汎化性能の検証を多角的に行ったところ,指標間で異なる結果が得られたが,総合的にIAP-MNLの方が優れていると結論づけられた.
