講演情報
[140]御堂筋の側道歩行者空間化が周辺部の交通状況に及ぼした因果効果に関する研究
○中村 耀三1、植村 洋史1、パラディ ジアンカルロス1、髙見 淳史1 (1. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)
キーワード:
歩行者中心、歩行者天国、因果推論、差分の差分法
近年、持続可能なアーバニズムの一環として歩行者中心の道路空間が重要視されており、世界中で様々な取り組みが行われている。日本においても例外ではなく、歩行者空間創出の事例は数多く存在する。一方で、道路の歩行者空間化が周辺の交通状況を悪化させるという懸念も根強く存在し、この懸念を払拭するだけの明確な根拠を示した研究の不足が歩行者空間導入の妨げになっている可能性がある。本研究では、大阪・御堂筋で進められている歩行者空間化計画を対象に、側道歩行者空間化が周辺の交通状況に及ぼした因果効果を差分の差分法(DID)によって定量的に評価した。その結果、側道歩行者空間化が周辺の交通量を増加させたという明確な事実は確認できず、場合によっては交通量減少に寄与する可能性があることを明らかにした。
