講演情報

[145]送迎保育ステーション利用による鉄道通勤時の送迎時間短縮効果の検証

○板倉 萌華1、岩倉 成志2 (1. 芝浦工業大学大学院、2. 芝浦工業大学)
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キーワード:

男女共同参画、保育施設、迂回行動、送迎時間、送迎保育ステーション、活動時間配分モデル

近年の日本は女性の社会進出に伴い保育施設利用率が高まる一方, 少子化や都市化等で保育施設への要求は多様化し, 送迎時の利便性と保育の質の両立が課題である. 解決策として, 利便性向上や園選択の幅拡大が期待される送迎保育ステーションの導入が挙げられる. 本研究の目的は, 鉄道通勤時における駅前送迎保育ステーションの優先設置地域を特定し, 夫婦の相互作用を考慮した活動時間配分モデルの構築をすることで, 当該地域での送迎保育ステーション利用による送迎時間短縮効果が女性の有償労働時間を増加させ, 女性の就業活躍を支援する都市施策となる可能性を示すことである. 分析の結果, 駅前に高層マンション等が集積する地域や中長距離通勤者の多い多摩地域が優先設置地域として価値が高い. 構築した活動時間配分モデルを用いた, 駅前送迎保育ステーションを利用して妻が往復送迎を行ったケーススタディでは, 1分間の送迎時間短縮が約0.34分の有償労働時間増加に繋がる. さらに, 送迎保育ステーションの支払い意思額は約10,475(円/月)と, 現行の一般的な利用料金(1〜2,000円程度)を大きく上回り, 女性の就業活躍を支援する都市施策としての価値が期待される.