講演情報

[154]公共交通モビリティ・アクセシビリティ指標を用いた都市コンパクト化評価指標-5都市におけるコンパクト化実態分析-

中川 創太1、○町田 碧海1、楽 奕平1 (1. 芝浦工業大学)
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キーワード:

コンパクトシティ、コンパクトシティ指標、ダイクストラ法、ポテンシャル型アクセシビリティ指標

本研究は日本における都市コンパクト化の評価手法として,「空間的な集約度」と「公共交通サービスの機能性」という2つの側面に着目した新たな指標の構築を目的とし,モビリティ指標と,アクセシビリティ指標を統合し,都市コンパクト化の進捗を定量評価する手法を提案した.また、瀬戸市,常陸太田市,岐阜市,豊田市,安来市を対象に,両指標を算出し,その比率をコンパクト化指標として比較した.分析結果,都市機能と交通結節点の集約が図られた瀬戸市・岐阜市は高値を示し,立地適正化計画の適用範囲が限定的な常陸太田市は低値となった.さらに,各都市の交通機能と空間的集約性の特性を踏まえた考察を行い,本研究で提案した指標が都市のコンパクト化進捗の評価および政策効果の評価に有効であることを示した.また,本研究はモビリティが低くても施設立地の適正化によってアクセシビリティを補完できる事例を示し,赤字路線を抱える地方都市においては機能集約が持続可能で住みやすい都市構造の鍵となる可能性を示唆した.