シンポジウム・トピックセッション
※タイトル(和英),世話人氏名・所属(和英),概要を示します.*印は代表世話人(連絡責任者 *を@マークに)です.
※招待講演者(予定)敬称略.
S1.「古生代世界」の新視点:アップデートと研究展望(New views of the Paleozoic world: updates and future scope)
世話人:磯﨑行雄*(東京大学; isozaki*ea.c.u-tokyo.ac.jp)
Convener: Yukio ISOZAKI* (The Univ. of Tokyo)
海と陸に多様な動植物が繁栄する地球生態系は宇宙でも極めて稀である.顕生代の前半3億年間をなす古生代はその大枠ができた重要な地質時代であった.19世紀前半からほぼ200年以上続く古生代研究の中心は常に欧米にあったが,中には日本の地質学者による秀逸な古生物学的貢献も含まれた.ただし,日本では中生界・新生界に比べて古生代岩石の分布が極端に少なく,また大型化石の研究者数も激減し,かつて定番であった古生代を掲げた名前のセッションやシンポジウムは近年の地質学会学術大会からほぼ消えていた.最近,新たな手法(高精度年代測定,微量元素・同 位体化学分析,X線CT,デジタルマイニングなど)の開発・導入によって,古生代での生物進化とその背景の地球表層環境変遷について研究が進み,その全体像は大きく書き換えられつつある.例えば,古生代前半の動物多様化と生態系の複雑化パタン,シルル・デボン紀の初期植物の出 現・分岐パタン,デボン・石炭紀での上陸に関わる四足動物の進化,オルドビス紀やペルム紀の地球外物質大量流入,間欠的に起きた動物巨大化と大量絶滅の原因,古生物地理区の再認識などが世界中で活発に議論されている.また日本および東アジアでも古生代地質やテクトニクスについて 新知見と解釈が追加されている.本シンポジウムでは,21世紀における古生代理解の要点と研究先端の位置を広く会員と共有し,日本発の新たな研究展開のきっかけとしたい.
講演者(予定):高畑直人(東京大学,非会員),上松佐知子(筑波大学,会員),上野勝美(福岡大学,会員),武藤 俊(産業技術総合研究所,会員),内野隆之(産業技術総合研究所,会員),Julien Legrand (静岡大学,会員),尾﨑和海(東京科学大学,非会員),今田弓女(京都大学,非会員),中島保寿(東京都市大学,非会員),西田治文(中央大学,非会員)
T1.テクトニクス(Tectonics)
世話人:高下裕章*(産業技術総合研究所; koge.h*aist.go.jp),中嶋 徹(富山大学),向吉秀樹(島根大学)
Convener: Hiroaki KOGE* (AIST), Toru NAKAJIMA (Univ. of Toyama), Hideki MUKOYOSHI (Shimane Univ.)
テクトニクスは,地球をはじめとする固体天体の岩石圏 の動きのことであり,多様な分野のデータにもとづいて議論が行われる.本セッションでは陸上から海洋における野外調査や各種観測,実験や理論などに基づき,日本や世界各地に発達するあらゆる地質体の構造,成因,形成過程や発達史に関する講演を募集する.地質学だけに限らず,地震学・測地学・地形学・岩石学・鉱物学といった幅広い分 野からの発表の場を設けることで,それぞれの最新の知見 の情報共有を行い,学際的な議論を行うことを目的とする. 話題はローカルなものから広域テクトニクスに関するものまで問わない.例えば,近年は構造地質学・岩石学・地形学・熱年代学などを融合した学際的アプローチにより,造山帯などにおける地殻変動・隆起削剥過程の時空間発達の理解が大きく進展している.その他にも,表層堆積盆に関 連する層序学・古地磁気学的研究,古環境や火成活動の変 遷史,付加体の形成史,先新生界の新生代変形史・熱史,そして,現在進行している地殻変形や活構造に関するもの,といった多様な研究分野の発表を歓迎する.
招待講演者:末岡 茂(日本原子力研究開発機構,会員)
提案母体:構造地質部会
T2.手取層群―150年の研究進展とこれから―(The Tetori Group: 150 Years of Research, Recent Advances, and Future Challenges) 
世話人: 上村真優子*(金沢大学;kamimuramayuko*gmail.com),酒井佑輔(大野市教育委員会),長田充弘(日 本大学)
Convener: Mayuko KAMIMURA* (Kanazawa Univ.), Yusuke SAKAI (Ono City Boad of Education),Mitsuhiro NAGATA (Nihon Univ.)
手取層群(広義)は,中部地方北部に分布するジュラ系~下部白亜系の浅海~陸成層であり,主に飛驒帯構成岩類を不整合に覆う.本層群は,1874年にドイツ人地理学者 J. J. Rein が石川県白山地域の桑島において植物化石を発見して以来,150年以上にわたる研究史を有している.手取層群 (広義)からは,恐竜やアンモナイトをはじめとする多様な動植物化石が産出しており,地質学・古生物学など,さまざまな分野における研究が展開されてきた.特に,これらの生物相は,東アジアにおける陸域および浅海域の古生物地理を復元する上で重要な資料となっている.近年,手取層群(広義)は,中期ジュラ紀の海成層である九頭竜層群と,上部ジュラ系~下部白亜系の海成~陸成層からなる手取層群(狭義)に再定義された.さらに,ジルコンによる年代測定などによって,手取層群(狭義)の堆積年代や後 背地がより詳細に明らかになりつつある.層序および地質時代の精緻化に伴い,手取層群(狭義)下部においてジュラ紀/白亜紀境界の存在が示唆されており,今後の研究の進展が期待される.本セッションでは,上述したような日本の地質学においても長い研究史を持ち,国際的にも重要な位置づけにある手取層群に関する多様な研究成果を募集する.現時点での課題や問題点を共有し,今後の研究の方 向性や本層群を研究することの意義などについて各方面から議論する場としたい.
招待講演者:佐野晋一(富山大学,会員),竹内 誠(名古屋大学,会員)
T3. 岩石・鉱物の変形と反応(Deformation and reaction of rocks and minerals)
世話人: 宇野正起*(東京大学; masa.uno*eps.s.u-tokyo. ac.jp),奥田花也(海洋研究開発機構),ラクシュマナン スリハリ(島根大学)
Convener:Masaoki UNO* (Univ. Tokyo), Hanaya OKUDA (JAMSTEC), Sreehari LAKSHMANAN (Shimane Univ.)
鉱物・岩石の変形プロセス(破壊,摩擦,結晶塑性変形)と反応プロセス(続成作用,変成作用,変質作用,交代作用など)は,H2O-CO2流体の関与や元素移動を介してしばしば強く相互作用し,地震,火山活動,グローバル元素循環などの地球内部のダイナミックな現象に大きな影響を与える.本セッションでは,野外調査,化学組成分析,岩石組織解析,室内変形実験,反応実験,岩石学的・溶液化学的モデリング,組織形成モデリング,統計的データ解析などの近年,発達が著しい様々なアプローチによる最新の成果の発表を歓迎する.表層近傍から,地殻,マントル,プレート沈み込み境界などの様々な岩石・地質体を対象に,地震などの秒スケールからプレート運動などの100万年スケールの変形・反応現象や,また変形と反応を支配するナノからマイクロスケールの素過程から露頭スケール・プレートスケールの構造発達,など様々な時間・空間スケールの地質現象について議論したい.さらに,物質科学的な分析・解析と地球物理観測データと結びつけながら,ダイナミックな固体地球プロセスを理解する新たな展開を期待したい.
招待講演者:永冶方敬(早稲田大学,会員),吉田一貴(高エネルギー加速器研究機構,会員)
提案母体:岩石部会・構造地質部会
T4.変成岩とテクトニクス(Metamorphic rocks and tectonics)
世話人:森 祐紀*(兵庫県立大学; yuki.mori*sci.u-hyogo. ac.jp),大柳良介(東北大学),北野一平(北海道大学)
Convener: Yuki MORI* (Univ. of Hyogo), Ryosuke OYANAGI (Tohoku Univ.),Ippei KITANO (Hokkaido Univ.)
本トピックセッションでは,国内外を問わず変成岩・変形岩とテクトニクスなどに関連する幅広い研究成果を募集する.野外調査・岩石や鉱物組織の記載・各種機器分析などを基本とする岩石学的および構造地質学的研究のみならず,地殻・マントルのレオロジーや変成反応の物理化学的素過程など,様々な手法や規模の視点に立った話題を取り上げる.微小スケールから大規模テクトニクススケールまで広く対象とし総合的に議論することで,衝突帯や沈み込み帯などプレート境界で起こる変成・変形作用の包括的理解に迫る.
招待講演者:小澤 創(東京大学地震研究所,非会員),伊藤泰輔(東京大学,会員)
提案母体:岩石部会
T5.白亜紀~古第三紀沈み込み型テクトニクスの総括と展望:地質学・岩石学・ジルコン年代学からのメッセージ(Review and Future Perspectives on the Cretaceous to Paleogene Subduction-related Tectonics: Insights from Geology, Petrology, and Zircon Geochronology)
世話人:常盤哲也*(信州大学;tokiwa*shinshu-u.ac.jp),志村侑亮(名古屋大学),森 宏(信州大学)
Convener: Tetsuya TOKIWA* (Shinshu Univ.), Yusuke SHIMURA (Nagoya Univ.), Hiroshi MORI (Shinshu Univ.)
近年,古地磁気学的手法やホットスポット軌跡を用いたジオダイナミックモデリングの進展により,過去数億年にわたるグローバルな海洋プレートの運動方向やプレート境界位置が高解像度で復元可能となった.その結果,後期白亜紀~古第三紀初期の東アジア東縁部沈み込み帯において,イザナギ−太平洋海嶺の接近・沈み込みが生じた可能性が示されている.これに伴い,沈み込み帯では付加ウェッジの成長から停滞への転換,珪長質火成活動の活発化から停止,さらには地殻変形様式や隆起・削剥過程の変化など,多様な地質現象の再解釈が進み,日本列島の地質構造およびテクトニクスの理解は大きな転換点を迎えたといえる.本セッションでは,こうした白亜紀~古第三紀沈み込み型テクトニクスの総括と再検討を主軸とし,地質学・岩石学・ジルコン年代学に基づく研究発表を広く募集する.さらに,数値モデリングや地形学など関連分野の知見を統合し,沈み込み帯テクトニクスに関する学際的議論の深化を目指す.
招待講演者:竹内 誠(名古屋大学,会員),中村佳博(産業技術総合研究所,会員)
T6.沈み込み帯・陸上付加体(Subduction zones and on-land accretionary complexes)
世話人:橋本善孝*(高知大学;hassy*kochi-u.ac.jp),坂口有人(山口大学),山本由弦(神戸大学)
Convener: Yoshitaka HASHIMOTO* (Kochi Univ.), Arito SAKAGUCHI (Yamaguchi Univ.), Yuzuru YAMAMOTO (Kobe Univ.)
沈み込み帯・陸上付加体に関するあらゆる分野からの研究を歓迎する.野外調査,微細構造観察,分析,実験,理論,モデリングのみならず海洋における反射法地震探査,地球物理観測,地球化学分析,微生物活動など多様なスケールおよびアプローチに基づいた活発な議論を展開したい.次世代の沈み込み帯・陸上付加体研究者を育てるべく,学生による研究発表も大いに歓迎する.また,東北地方日本海溝において複数のIODP航海が行われた.それらの成果も共有し議論したい.
招待講演者:白石和也(海洋研究開発機構,非会員)
T7.マグマソース・マグマ供給系から火山体形成・熱水変質まで(From magma source and magma plumbing system to volcano formation and hydrothermal alteration)
世話人: 齊藤 哲*( 愛媛大学;saito.satoshi.nz*ehime-u. ac.jp),草野有紀(産業技術総合研究所),江島圭祐(山口大学)
Convener: Satoshi SAITO* (Ehime Univ.), Yuki KUSANO (AIST), Keisuke ESHIMA (Yamaguchi Univ.)
地球上に見られる多様な火成岩類は,マントル~地殻深部のマグマソース,火山体下のマグマ供給系からマグマ噴出・熱水変質に至る広い環境下でのプロセスを経て形成されたものであり,野外地質調査や観測,各種実験・分析により得られる岩石・鉱物の産状や組織,化学組成などの解析からは,マグマの起源物質,活動規模,固結・冷却年代,温度圧力条件,酸化還元状態,含水量,噴火様式,元素移動などについての情報を得ることができる.個々の火山体・深成岩体から火山帯・バソリスまで,また,様々な時代のプレート収束境界・プレート発散境界・プレート内などのマグマ生成場において,発生から定置・固結・変質に至るまでのマグマの物理・化学的挙動や時間スケール,テクトニクスとの相互作用などを明らかにすることは,地球の進化およびダイナミクスの理解に重要である.本セッションでは,多様なテクトニクス場において形成した火成岩体・火成岩類・火山噴出物を対象に,マグマの発生・輸送・分化・定置・噴出・変質といったプロセスにアプローチした研究発表を広く募集する.野外地質学・岩石学・鉱物学・火山学・地球化学・年代学・岩石磁気学・物理探査など様々な視点からの活発な議論を期待する.
招待講演者:岡本 敦(東北大学,会員)
提案母体:火山部会・岩石部会
T8.大学教育(University Education)
世話人: 竹内真司*( 日本大学;takeuchi.shinji*nihon-u. ac.jp),林 広樹(島根大学),佐々木和彦(佐々木技術士事務所)
Convener: Shinji TAKEUCHI* (Nihon Univ.), Hiroki HAYASHI (Shimane Univ.), Kazuhiko SASAKI (Sasaki Professional Engineer Office)
近年,防災・資源・環境問題などに関わる地球科学の社会的役割はますます重要になっている.一方で,高校における地学履修者の減少や教員不足など,地学教育を取り巻く環境には多くの課題が指摘されている.地質学分野の持続的発展のためには,初等中等教育から大学教育,さらに社会へとつながる人材育成のあり方について議論することが重要である.本セッションでは,大学・大学院における地学教育や技術者教育,高校地学教育の現状と課題,大学と企業との連携による実践的教育などをテーマとして,大学教育と人材育成の現状と課題について幅広く議論したい.本セッションでは大学教員,研究者,高校教員,企業技術者,教育関係者など,大学教育や人材育成に関心を持つ多様な立場からの発表を歓迎する.授業実践,カリキュラム設計,フィールド教育,ICT活用,高大連携,産官学連携教育,教育評価,教育制度の課題など,幅広い内容の発表を募集する.大学教育の現状を共有し,今後の大学教育の在り方,人材育成の方向性について議論する場としたい.
招待講演者:坂口有人(山口大学,会員)
提案母体:地質技術者教育委員
T9.原子力と地質科学(Nuclear Energy and Geological Sciences)
世話人: 竹内真司*( 日本大学;takeuchi.shinji*nihon-u. ac.jp),梅田浩司(弘前大学),吉田英一(名古屋大学)
Convener: Shinji TAKEUCHI* (Nihon Univ.), Koji UMEDA (Hirosaki Univ.), Hidekazu YOSHIDA (Nagoya Univ.)
原子力分野では,ウラン資源探査,活断層の耐震安全性評価,放射性廃棄物の地中処分,放射性物質の環境動態,地下水流動や物質移行挙動,長期的な地質環境の変動など,多くの課題が地質科学と深く関係している.本セッション「原子力と地質科学(Nuclear Energy and Geological Sciences)」は,日本の原子力に関わるこれらの地質科学的課題について地球科学的知見から議論し,関連分野の研究者・学会間の意見交換を行うことを目的とする.近年の動向として,2026年3月には国が東京都小笠原村南鳥島における最終処分に関する文献調査を申し入れており,開始されれば北海道寿都町・神恵内村,佐賀県玄海町に続く4例目となる.また石川県志賀原発ではサイト内断層の活動性評価を巡り議論が続いており,断層活動性の評価手法は原発のみならず最終処分場のサイト評価においても重要である.さらに,日本原子力研究開発機構,電力中央研究所,産業技術総合研究所などでは,地層処分に関わる地質環境の長期安定性評価や深地層研究施設を利用した研究,沿岸域における調査などが進められ,サイト調査に関する知見が蓄積されている.本セッションでは,断層活動性の最新知見や地下深部微生物と地層処分の関係に関する招待講演を含め,原子力と地質科学に関する最新研究について広く議論する.
招待講演者:天野由記(日本原子力研究開発機構,非会員),立石 良(富山大学,会員)
提案母体:環境地質部会
T10.海洋プレー ト・ オフィオライト研究の最前線 (Frontiers in oceanic plate and ophiolite studies) 
世話人: 松山和樹*( 名古屋大学;matsuyama.kazuki.i8* s.mail.nagoya-u.ac.jp),森下知晃(金沢大学),針金由美子(東京海洋大学)
Convener: Kazuki MATSUYAMA* (Nagoya Univ.), Tomoaki MORISHITA (Kanazawa Univ), Yumiko HARIGANE (Tokyo Univ. Marine Sci. Tech.)
地球の上部マントルはプレート運動やマグマ生成,物質循環など地球ダイナミクスを支配する重要な領域であり,その物理・化学的性質や変形過程を理解するために包括的な議論が行われてきた.本セッションではかんらん岩をはじめとする超苦鉄質岩に加え,海洋地殻を構成する塩基性岩や関連する火山岩なども含め,海洋プレートおよび上部マントルの形成・進化過程,ならびに上部マントル物質のテクトニックな役割・変化・地表環境との相互作用に関する研究発表を広く募集する.岩石学的解析,微細組織・結晶方位解析,岩石物性測定,実験岩石学,数値モデリング,地球物理観測などの多様な研究手法を活用した分野横断的な議論の場を設け,上部マントルおよびリソスフェアのダイナミクスの理解を深化させることを目的とする.話題は,オフィオライト研究に代表される野外地質学的研究から,マントル捕獲岩や海洋底かんらん岩を対象とした研究,さらには海洋プレート形成過程やその物性構造に関する研究まで幅広く募集する.日本の研究グループはこれまで,国内で醸成された精緻な野外調査技術や付加体研究の知見を活用し,海洋地殻や島弧の形成過程,沈み込み帯発生過程などに関して多くの重要な成果を挙げてきた.本セッションでは,これまでのマントルおよびオフィオライト研究を牽引してきた金沢という地で各分野の最新の知見を共有し,学際的研究をさらに推進する契機とすることを目指す.
招待講演者:赤松祐哉(海洋研究開発機構,会員)
提案母体:金沢大会実行委員会,構造地質部会,岩石部会,海洋地質部会
T11.都市地質学(Urban Geology)[共催:日本応用地質学会,日本情報地球学会,後援:全国地質調査業協会連合会] 
世話人:中澤 努*(産業技術総合研究所;t-nakazawa*aist. go.jp),北田奈緒子(GRI財団),野々垣進(産業技術総合研究所)
Convener: Tsutomu NAKAZAWA* (AIST), Naoko KITADA (Geo-Research Institute), Susumu NONOGAKI (AIST)
都市は自然環境と社会環境の接点に存在する複雑なシステムである.レジリエントな都市を実現するためには,地質学をベースとした知識の体系化により,自然と社会の相互作用を理解することが必要不可欠である.都市の地質情報は,都市の環境保全,防災,インフラの維持に必要な情報である.最近では,国や自治体のDX戦略の一環として,スマートシティやデジタルツインの取り組みが行われており,これらを通じて地質情報の社会実装が図られつつある.また国が推進するBIM/CIMへの対応など,地質学を社会へ浸透させるためには他分野および行政との接点を今まで以上に意識して取り組む必要がある.以上のような観点から,本セッションでは,層序学,第四紀学,堆積学,環境地質学,応用地質学,土木地質学,災害地質学,水文地質学,情報地質学など,都市の地質情報・地質環境に関わるさまざまなテーマの講演を受け付ける.
招待講演者:秋山泰久(国際航業株式会社,非会員)
提案母体:環境地質部会,情報地質部会
T12.堆積地質学の最新研究(Latest Studies in Sedimentary Geology)[共催:日本堆積学会,有機地球化学会,石油技術協会探鉱技術委員会 
世話人:白石史人*(広島大学;fshirai*hiroshima-u.ac.jp),松本 弾(産業技術総合研究所),澤田大毅(石油資源開発株式会社)
Convener: Fumito SHIRAISHI* (Hiroshima Univ.), Dan MATSUMOTO (AIST), Taiki SAWADA (JAPEX)
堆積物や堆積岩(砕屑岩・珪質岩・炭酸塩岩・蒸発岩・石油・石炭など)とそれを構成する物質についての最近の研究成果を対象とし,堆積地質学分野の最新の知見を共有するとともに,今後の展望について議論する.堆積物/堆積岩の形成に関わるプロセス(風化・侵食・溶解・運搬・堆積・沈積・続成作用),堆積物/堆積岩の粒子形態・組織・構造・岩相・層序・堆積相・生物相・環境の物理的・化学的・生物学的・有機地球化学的研究,新たな分析・探査手法などについての研究発表,石油・石炭地質に関する成因・産状・資源量などについての研究発表を募集する.堆積地質学には,堆積物の形成メカニズムやプロセスに迫る基礎研究から,その知見を用いて社会課題の解決にアプローチする応用研究まで幅広い研究トピックが存在する.各分野の研究者がそれぞれの最新成果を発表し議論する機会を設けることで,次世代の新たな研究を生み出す場となることを期待する.
招待講演者:中西 諒(産業技術総合研究所,会員),佐久間杏樹(東京大学,会員)
提案母体:堆積地質部会
T13. 極域研究の最前線(Frontier of research on Antarctica and Arctic)
世話人:菅沼悠介*(国立極地研究所;suganuma.yusuke* nipr.ac.jp),石輪健樹(国立極地研究所),石野沙季(産業技術総合研究所)
Convener: Yusuke SUGANUMA* (National Institute of Polar Research), Takeshige ISHIWA (National Institute of Polar Research), Saki ISHINO (AIST)
極域(北極圏・南極圏)は,地球環境変動にきわめて敏感に応答する領域であり,南極氷床・グリーンランド氷床をはじめとする雪氷圏の変動や北極海の環境変化は,将来の海水準上昇や地球環境変化を考えるうえで重要である.極域には,環境変動や氷床変動の履歴を記録した地形・地質・堆積物が広く分布し,その解読を通じて過去から現在に至る変動プロセスの理解が進められてきた.日本の極域研究は南極地域観測を基盤として発展し,近年では北極海やグリーンランドも対象とした研究へと広がっている.氷河地形・第四紀地質・古環境研究では,海底・湖沼・陸上堆積物や氷河地形を用いて,約2万年前の最終氷期以降を含む氷床・氷河変動史,古海洋・古気候変動の復元が進められている.これらの研究は,地質・地形学的調査に加え,地球化学分析,年代測定,地球物理探査,リモートセンシング,モデル研究との連携によって発展してきた.また,東南極やグリーンランドの基盤地質研究も,地殻進化や変成・火成作用の解明に加え,氷床変動研究とも密接に関わっている.本トピックセッションでは,極域における環境変動,氷床変動,氷河地形・第四紀地質,古海洋・古気候,基盤地質,地球物理観測,モデリングに関する最新成果を分野横断的に集約し,共有・議論する場を提供する.これにより,極域研究の発展と学際的連携の創出を図るとともに,若手・中堅研究者の参画を促したい.
招待講演者:山本正伸(北海道大学,会員),鈴木克明(産業技術総合研究所,会員)
提案母体:海洋地質部会,地球環境史部会
T14.文化地質学(Culture geology)[共催:文化地質研究会] 
世話人:森野善広*(パシフィックコンサルタンツ株式会社;yoshihiro.morino*os.pacific.co.jp),坂本昌弥(九州ルーテル学院大学),猪股雅美(広島工業大学)
Convener: Yoshihiro MORINO* (Pacific Consultants Co., Ltd), Masaya SAKAMOTO (Kyushu Lutheran College), Masami INOMATA (Hiroshima Institute of Technology Faculty of Environmental Studies)
文化地質学は人類の文化・文明が,地質とどのように関わってきたか,そして現在もどのように関わっているかを研究する学際的学問分野である.これまでのトピックセッションでは,以下のような研究例が示された.(1)地質を石材など資源として活用した事例研究,(2)考古遺物の成分分析を行った研究,(3)地域の固有文化との関わりを論じた研究,(4)博物館などでの普及・教育実践についての研究,(5)地質に関わる文学の研究,(6)山岳霊場など宗教と地質の関わりを論じた研究,(7)自然災害と文化との関りを論じた研究.今年の大会は金沢で開催されることから,招待講演は加賀・能登地方を中心とした地形地質と文化,およびこの地域の伝統産業である輪島塗に関するテーマで講演者を選定した.今回のセッションでも,北陸地域を中心に,あるいはこの地域に限定せず,文化・文明と地質との関わり,人・社会の営みと地質との関わり,観光資源としての地質など,地質と人々との関わりについて論じたすべての研究発表を歓迎する.
招待講演者:青木賢人(金沢大学,非会員),桐本泰一(輪島漆再生プロジェクト実行委員会,非会員)
T15.大地と人間活動を楽しみながら学ぶジオパーク(Geopark to enjoy and learn about the earth and human activities)[共催:日本ジオパーク学術支援連合,日本ジオパークネットワーク]
世話人:松原典孝*(兵庫県立大学;nd5408y*gmail.com),郡山鈴夏(フォッサマグナミュージアム),山﨑由貴子(日本ジオパークネットワーク事務局)
Convener: Noritaka MATSUBARA* (Univ. of Hyogo), Suzuka KOORIYAMA (Fossa Magna Museum), Yukiko YAMASAKI (Japan Geoparks Network)
ジオパークは,大地とその上に広がる動植物や私たちの生活・文化・歴史を総合的に理解し,楽しみながら学ぶ場である.現在日本には,11のユネスコ世界ジオパークを含む48のジオパークがあるが,それぞれの地域で教育やジオツアーによる観光などユニークな活動が展開されている.世界ジオパークネットワークでは,様々なタスクに対応するために,11のワーキンググループ(SDGs,地質災害,気候変動,地質遺産・地質多様性,地質多様性と生物多様性,観光,教育,島嶼・沿岸地域/水/海洋,ガストロノミー,「癒しの景観としてのジオパーク」,ジオパーク品質)が設置され,国際的かつ具体的に議論が進められている.2026年の第172回世界ジオパークネットワーク執行委員会では,2029年までの各ワーキンググループの活動計画について承認され,各国においてもそれぞれのタスクについて議論することが求められている.本セッションは,研究者のみならずジオパークの現場で活動している博物館学芸員・ジオパーク専門員・自治体職員・ジオパークガイド等も対象として,ジオパークに関連する幅広い講演を募集したい.本セッションの議論を通じて,日本地質学会としてジオパークの発展に寄与したい.
招待講演者:なし
提案母体:ジオパーク支援委員会
T16.地域地質・層序学:統合的理解(Regional geology and stratigraphy: comprehensive understanding)
世話人: 辻野 匠( 産業技術総合研究所;taphonomoi* gmail.com),佐藤大介(産業技術総合研究所),松原典孝(兵庫県立大学)
Convener: Taqumi TUZINO* (AIST), Daisuke SATO (AIST), Noritaka MATSUBARA (Univ. of Hyogo)
近年の世代交代に相まって,フィールド調査の重要性はますます高まっているが,フィールド調査単体では研究成果の強みが今一つ生かされない傾向がある.ここで必要なのが,異質な手法の組み合わせである.その一つに化石層序・放射年代などの時間軸を入れる作業がある.これは基本であり伝統的手法であって,われわれがこれから考えるべきは,年代層序に加えて化学層序・化学データ.物性情報,あるいは新規の観察手法などのデータを貪欲に追加していくことである.これにより地域の地質体の成因や地史を総合的に理解していくことで地質学全体の基礎が強固なものになっていくと思われる.このセッションでは,ベースとなるフィールド調査にもとづいた研究に加えて,分野横断的な(multidisciplinary)手法を組み合わせて地域地質・層序を総合的に理解しようと企てる研究者の発表の場としたい.したがって,地質図,ルートマップ,年代,地球化学データ,リモセン,ドローン,新しい調査手法,アイディアの紹介なども歓迎する.また,地域研究に根ざした,地域間の層序対比や年代層序スケールに関する発表も広く受け容れる.
招待講演者:山田来樹(産業技術総合研究所,会員)
提案母体:地域地質部会,層序部会
T17.西南日本の火山テクトニクス(Volcano-tectonics of Southwest Japan)
世話人:辻 智大(山口大学;t-tsuji*yamaguchi-u.ac.jp),大橋聖和(産業技術総合研究所),大坪 誠(産業技術総合研究所)
Convener: Tomohiro TSUJI* (Yamaguchi Univ.), Kiyokazu OOHASHI (AIST),Makoto OTUBO (AIST)
西南日本火山弧から琉球火山弧にかけての地下にはフィリピン海プレート,さらに深部には太平洋スラブが停滞しており,複数の海洋プレートの沈み込みによる火山活動および流体と地震発生の関係が指摘されている.この領域では火山フロントから背弧,さらには地溝帯に至るまで,玄武岩質から流紋岩質に及ぶ多様な火山活動が認められ,九州においてはカルデラ形成が繰り返されてきた.火山の活動場は時代とともに変化しており,その理解にはプレート運動やスラブ流体の供給,マントルの不均質性,背弧拡大や地殻内断層系との関連を総合的に捉える必要がある.こうした研究は,島弧火山の時空間的変遷やマグマ生成過程の解明に寄与するとともに,将来の火山活動や地殻変動・断層運動の長期評価に資する点で,学術的・社会的に重要な意義を有する.本セッションでは,西南日本の火山弧がどのように発達してきたか,そのマグマティズムとテクトニクスについて,火山学,地質学,岩石学,構造地質学,年代学,地球物理学,数値計算等を統合して議論する場を提供し,これらに関する研究発表を広く募る.山陰におけるひずみ集中帯と地震・火山活動,中部地方における火山テクトニクスや2024年能登半島地震に関連する発表も歓迎する.
招待講演者:岩森 光(東京大学,会員),芝崎文一郎(建築研究所,非会員)
提案母体:火山部会
T18.地球史(History of the Earth)
世話人: 冨松由希*( 福岡大学;y-tomimatsu*fukuoka-u. ac.jp),桑野太輔(京都大学)
Convener: Yuki TOMIMATSU* (Fukuoka Univ.), Daisuke KUWANO (Kyoto Univ.)
地球の大気,海洋,生命圏は,過去46億年の地球史を通して,さまざまな時間スケールで相互に作用しながら大きく変化してきた.こうした変動の痕跡は,岩石や地層,海洋堆積物として地表に記録されており,そこに含まれる化石や化学組成の解析を通じて読み解くことができる.このように地質記録を多様な科学的手法を用いて解析することは,過去の地球環境の変遷や生命進化の過程を理解する上で重要であるとともに,未来の地球環境変動を予測するための重要な手がかりを与える.本セッションでは,研究分野の垣根を越え,特定の時代や手法に限定されることなく,気候変動,地球表層環境の変遷,生物の進化や生態系の変化,さらにはテクトニクスの解明など,地球史の理解に関わる幅広い研究成果の発表を募集する.また,これらの研究成果を統合的に議論することで,地球史研究の新たな展開を探る場としたい.本セッションを通じて,分野や世代を超えた研究交流を促進し,最新の知見を基に活発な議論の場となることを目指す.特に,大学院生や若手研究者の積極的な参加を歓迎し,新たな研究の視点や将来の研究展開につながる議論が生まれることを期待する.
招待講演者:大山 望(福井県立大学,会員),沢田 輝(富山大学,会員)
提案母体:環境変動史部会
