講演情報
[R8-P-04]糸魚川市青海地区に露出する蛇紋岩中のロジン岩とリストヴェナイト中の流体包有物の塩濃度と均質化温度
*橋本 宇未1、川本 竜彦1、延寿 里美2、白勢 洋平2、小河原 孝彦3 (1. 静岡大・理、2. 愛媛大・理、3. フォッサマグナミュージアム)
キーワード:
流体包有物、ロジン岩、リストヴェナイト
糸魚川-静岡構造線の西側に位置する糸魚川市青海地域では、古来よりヒスイ輝石岩の産地として知られる。青海地域では、高圧低温型変成帯である蓮華変成帯が青海川沿いに露出し、高圧低温型結晶片岩と蛇紋岩などが観察される(辻森ほか,2000,地質学雑誌)。本研究では、Ca交代作用で形成されたと考えられるロジン岩、蛇紋岩がCO2を含む流体による交代作用をうけたリストヴェナイト、および蛇紋岩に入った炭酸塩脈中の流体包有物をラマン分光法とマイクロサーモメトリーを用いて研究することによって、この地域での流体の組成と温度圧力条件を解明する。
青海川の支流の金山谷には蛇紋岩中に脈状に産出するロジン岩露頭がある。このロジン岩中のカルサイト脈に気液二相の流体包有物が存在する。ラマンスペクトルによると液体は塩水で、氷の最終融解温度から見積もられる塩濃度は2.3±0.7 wt.% NaCl当量(n=30)で、気相と液相の均質化温度は233±33℃(n=30)であった。また、金山谷より下流に位置する青海川の露頭で採取したリストヴェナイトは主にマグネサイトと石英から構成される。リストヴェナイト中の脈はドロマイトとマグネサイトからなり、ドロマイト中の流体包有物は、塩濃度1.8±0.3 wt.% NaCl当量(n=9)で、気相と液相の均質化温度は211±39℃(n=9)であり、ロジン岩中の脈と近い値を示す。ただし、ロジン岩の流体包有物には見られないメタンを含むものもある。
また、フォッサマグナミュージアム所有のヒスイ輝石岩中にも気液二相の流体包有物が入っているものがあり、ラマン分光とマイクロサーモメトリーを行った。現在までの観察では、流体包有物に水とメタンが含まれることが分かったのみで、氷の最終融解温度は決定できていない。
発表では、上記ロジン岩とリストヴェナイト、および、リストヴェナイト周辺のオフィカーボネート中の流体包有物を比較し、青海地域における流体と岩石の相互作用について議論したい。
青海川の支流の金山谷には蛇紋岩中に脈状に産出するロジン岩露頭がある。このロジン岩中のカルサイト脈に気液二相の流体包有物が存在する。ラマンスペクトルによると液体は塩水で、氷の最終融解温度から見積もられる塩濃度は2.3±0.7 wt.% NaCl当量(n=30)で、気相と液相の均質化温度は233±33℃(n=30)であった。また、金山谷より下流に位置する青海川の露頭で採取したリストヴェナイトは主にマグネサイトと石英から構成される。リストヴェナイト中の脈はドロマイトとマグネサイトからなり、ドロマイト中の流体包有物は、塩濃度1.8±0.3 wt.% NaCl当量(n=9)で、気相と液相の均質化温度は211±39℃(n=9)であり、ロジン岩中の脈と近い値を示す。ただし、ロジン岩の流体包有物には見られないメタンを含むものもある。
また、フォッサマグナミュージアム所有のヒスイ輝石岩中にも気液二相の流体包有物が入っているものがあり、ラマン分光とマイクロサーモメトリーを行った。現在までの観察では、流体包有物に水とメタンが含まれることが分かったのみで、氷の最終融解温度は決定できていない。
発表では、上記ロジン岩とリストヴェナイト、および、リストヴェナイト周辺のオフィカーボネート中の流体包有物を比較し、青海地域における流体と岩石の相互作用について議論したい。