講演情報

[1D01]海外フィールドワーク・海外ボランティアと月経対処—月経レンズを通じて観る現地と自分

*杉田 映理1、*小國 和子2、*新本 万里子3、*四方 篝4、*岩佐 光広5 (1. 大阪大学、2. 日本福祉大学、3. 広島市立大学、4. 京都大学、5. 高知大学)

キーワード:

月経、フィールドワーク、国際ボランティア、異文化理解

1. 企画の背景 
 国際開発学会の会員は、いわゆる途上国でフィールドワークを行うことが多い。また学生を引率したり、学生を海外ボランティアに送り出したりすることもある。「海外安全」について、治安面、健康面の研修は広く実施されているが、月経に特化した実践的な議論はこれまで行われてこなかったのではないか。これは、日本においても月経が長く不可視化され、公の場で語ることを憚る社会規範があることに起因するのだろう。 
 しかし、途上国での調査(フィールドワーク)やボランティアを遂行する上で、月経対処について事前に知って考えておくべきことは多い。慣れない地域へ行くと、月経周期が乱れて月経痛が重くなったり、生理用品を交換できるトイレが少なかったり、水洗トイレのはずが水が流れなかったり、生理用品を捨てられなかったりする。一緒に行く引率者や男子学生も、月経について学び、同行者としてともに考えることは有用だと考えられる。
 一方で、これまで海外に飛び出していったフィールドワーカーの多くは、現地の月経事情について知ろうとしてこなかった。しかし<月経>というレンズを通して、これから飛び込む対象社会を見ると、新たな気づきがあると考えられる。
2. 主要な論点
・現地における月経をめぐってどのような困りごとがあり、対処するのか。
・月経を経験したことがない人(≒男性)を含む、他者からの月経への配慮とは。
・月経をめぐる文化的タブーを理解するためのアプローチとは。
3. 期待される成果 
 誰にでも起きうる経験や不安をざっくばらんにラウンドテーブル形式で情報交換・意見交換をすることで、海外渡航中のフィールドワーク、あるいはボランティア活動についての情報収集・準備が進むことが期待できる。
 さらに、現地の月経をめぐる状況を知ることで、改めて、日本では「当たり前」と思っていたことがそうではないことにも気が付き、日本の社会を俯瞰して見られるようになることが期待される。
4. 登壇者
企画責任者: 杉田映理(大阪大学) 
司会: 杉田映理(大阪大学)
発表者:新本万里子(広島市立大学)
発表者:四方篝(京都大学)・杉田映理(大阪大学)
発表者:小國和子(日本福祉大学)
討論者:岩佐光広(高知大学)

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン