講演情報

[1E03]USAID解体後の日本社会は何を語りかけているのか:行政、市場、市民社会、そして学術界に求めるもの

*松本 悟1、*汪 牧耘2、*小池 宏隆3、*原 昌平4、*米山 泰揚5、*稲場 雅紀6 (1. 法政大学、2. 東京大学、3. 持続社会連携推進機構アース・シェルパ、4. 国際協力機構、5. 国際協力銀行、6. アフリカ日本協議会)

キーワード:

アメリカ国際開発庁、アフリカ開発会議、援助批判、グローバル・サウス、日本

4月の緊急セミナー「USAIDの解体、どう受け止めるか?」※から半年が経ち、USAID解体の影響や余波は複雑な様相を呈している。グローバルサウスを含む新たな開発協力体制の構築において、日本への期待が高まる一方で、国内では「私の税金」論理が跋扈し、「左」だけでなく「右」からもODAへの批判が噴出している。国際開発学会もまた、「意識の高い人たちの集まり」として一般社会から乖離している現実に直面している。この社会状況が私たちに語りかけているものは何か、登壇者と参加者の議論を通して、USAID解体後の国際/国内社会の変化を言語化し、国際開発学会の今後のあり方を論じる。
 国際開発に関わる複数のアクターがUSAID解体後の地殻変動と日本の(無)応答を報告する。全国大会までの社会情勢の変化も踏まえて、登壇者の柔軟な問題提起との議論を期待するものだが、発表申込時点では以下のような論点を扱う予定である。

・優柔不断な日本の外国人政策:TICADとアフリカ移民コミュニティの乖離
・「左」「右」から叩かれるODA:「ホームタウン構想」炎上とJICAデモの深層
・国内改革と縮小する市民社会セクター
・援助行政人材の枯渇問題とキャリアパス整備の頓挫
・USAID解体の影響をめぐる言説の変化

 本ラウンドテーブルは、第一に、USAID解体後に生じている変化を多角的に把握し、国際開発に関わるアクターごとのギャップと接点を炙り出す。第二に、グローバルサウスと称される国々から日本に投げかけられる期待と協働の可能性を捉え直す。第三に、開発協力の「一大転換期」において、1600人の会員を持つ国際開発学会自身のあり様を問い直す。建前から脱した未来への道筋を探る——それが本セッションの目的である。

※【報告】緊急セミナー「USAIDの解体、どう受け止めるか?——日本からの視点と論点」https://www.eaa.c.u-tokyo.ac.jp/blog/usaid-japan/

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