講演情報
[1M11]マレーシア難民学習センターにおける教材選定の実態と課題-教師視点からみた教育の質 -
*SUN YAN1 (1. 東洋大学)
キーワード:
難民教育、マレーシア、代替学習センター、教材選定、教育の質
1.研究の背景およびリサーチクエスチョン
マレーシアにはUNHCR登録の難民・庇護希望者が20万人以上存在するが、政府は彼らを法的に難民と認定せず、公立学校への就学を認めていない。そのため、教育は主にNGOや宗教団体による非公式の学習センターに依存している。統一的なカリキュラムや教材が存在しない中、教師は多様な文化的・宗教的背景を持つ生徒に対応しつつ教材を選定・調整している。本研究は以下の問いを設定する。 教師が教材を採用する際、客観的な質の指標は存在するのか。 教師はどのような基準で「難民学生にとって良い教育」と判断しているのか。
2.資料・情報および分析方法
本研究では、クアラルンプールに所在する3〜5か所の難民学習センターを対象に、①実際に使用される教材を収集し、その出所・配布経路・利用状況を記録する、②収集した教材の内容を分析する、③授業を複数回観察し、教材の使用頻度、教師の指導スタイル、学習者の理解や反応を観察記録表に基づいて調査する。
3.得られた知見
マレーシアの学習センターにおける教材の選び方には統一された基準がなく、教師は自分の経験に頼る傾向があると考えられる。教材は現地のメインの言語と必ずしも一致せず、多くの場合、学生が将来他国で働いたり生活したりできるように英語が重視されている。また、宗教系の学習センターでは、教材が宗教的な価値観と矛盾しないことが重視されるため、内容が一部修正されることもある。さらに、教材が不足しているため、教師は市販の教材を翻訳したり一部だけを使ったりして工夫している。その結果、教育の質はある程度保たれているが、教材の内容がバラバラになり、一貫性が失われる問題も生じていると考えられる。
マレーシアにはUNHCR登録の難民・庇護希望者が20万人以上存在するが、政府は彼らを法的に難民と認定せず、公立学校への就学を認めていない。そのため、教育は主にNGOや宗教団体による非公式の学習センターに依存している。統一的なカリキュラムや教材が存在しない中、教師は多様な文化的・宗教的背景を持つ生徒に対応しつつ教材を選定・調整している。本研究は以下の問いを設定する。 教師が教材を採用する際、客観的な質の指標は存在するのか。 教師はどのような基準で「難民学生にとって良い教育」と判断しているのか。
2.資料・情報および分析方法
本研究では、クアラルンプールに所在する3〜5か所の難民学習センターを対象に、①実際に使用される教材を収集し、その出所・配布経路・利用状況を記録する、②収集した教材の内容を分析する、③授業を複数回観察し、教材の使用頻度、教師の指導スタイル、学習者の理解や反応を観察記録表に基づいて調査する。
3.得られた知見
マレーシアの学習センターにおける教材の選び方には統一された基準がなく、教師は自分の経験に頼る傾向があると考えられる。教材は現地のメインの言語と必ずしも一致せず、多くの場合、学生が将来他国で働いたり生活したりできるように英語が重視されている。また、宗教系の学習センターでは、教材が宗教的な価値観と矛盾しないことが重視されるため、内容が一部修正されることもある。さらに、教材が不足しているため、教師は市販の教材を翻訳したり一部だけを使ったりして工夫している。その結果、教育の質はある程度保たれているが、教材の内容がバラバラになり、一貫性が失われる問題も生じていると考えられる。
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