実行委員長の挨拶
第48回コンクリート工学年次大会2026を、2026年7月8日(水)〜10日(金)の3日間、私たち日本コンクリート工学会近畿支部の担当により、千三百年の歴史を誇る古都・奈良にて開催いたします。
近畿支部が担当する年次大会としては、前々回の大阪、前回の神戸に続き、奈良での開催は今回が初めてとなります。大会テーマは、「古都にまなび、未来をつむぐ」。時を超えて受け継がれてきた知恵と文化に学びつつ、今を生きる私たちが次代の社会に何を遺すのか——。奈良という地を舞台に、技術と精神、歴史と革新が交差する場を、皆さまとともに創り上げていきたいと考えております。
奈良は、東大寺や平城京跡など、世界遺産に彩られた歴史的遺構が数多く残る地であり、自然と文化が調和する空間です。大会メイン会場となる奈良県コンベンションセンターは、近鉄奈良線・新大宮駅から徒歩圏内に位置し、アクセスにも優れています。講演会、特別講演、生コンセミナー、構造物診断セミナー、コンクリートテクノプラザ、キング・オブ・コンクリートなど、主要行事のほとんどを一箇所で実施できる点も、本大会の大きな魅力です。
本大会では、カーボンニュートラル社会の実現に向けた低炭素型セメントの開発、AI・IoTを活用した施工・維持管理技術、3Dプリンティングによる構造物の自動構築、さらには再生骨材やCO₂吸収型材料など、コンクリート工学の最前線を共有する場を設けます。これらの技術は、インフラの長寿命化やレジリエンス強化、地域資源の活用といった社会的課題への応答にもつながるものであり、産官学の垣根を越えた議論が期待されます。
また、奈良の地ならではの特別企画や見学ツアーも予定しております。学術的交流に加え、奈良の歴史と文化に触れるひとときが、参加者の皆様の記憶に残る大会となることを願っております。
どうぞ来年、奈良の地にて、皆さまにお会いできますことを、心より楽しみにしております。