一般公開企画
下記のシンポジウムを一般公開いたします。
一般公開企画につきましては,参加費を支払うことなく,参加章なしで入場できます。直接開催会場へお越しください。
公開企画以外の会場への立ち入りは、ご遠慮いただいております。
[IS-002]
若手が進路をあきらめないための「新しい支援体制」と「戦略」のありかた
企画代表者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会) |
企画者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会)、前澤 知輝(筑波大学) |
話題提供者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会)、西村 友佳(株式会社ARISE analytics)、残華 雅子(びわこ学院大学短期大学部)、正木 法雄(国立研究開発法人科学技術振興機構) |
指定討論者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会) |
司会者 | 前澤 知輝(筑波大学) |
日時
2024年9月6日(金) 9:20〜11:00
会場
第2会場(3F A1)
概要
最近では「学振特別研究員」以外にも,院生や若手研究者に対する支援の整備が進んでいます。その一方で,大学院生や若手研究者において,学位取得を目指したり,アカポス・一般企業などへの就職活動を行ったりするにあたって,受けられる支援については,所属する研究室や大学に依存する傾向が見られます。つまり,「知らなかった」「教えてもらえなかった」といった,情報格差が存在しているわけです。そこで本シンポジウムにおいては,現在の大学院生・若手の支援体制・支援制度について紹介をすると共に,学位取得に向けた戦略や,その後のキャリアパス形成(アカポス・一般企業など)に対する戦略など,進路をあきらめないための情報を提供していきます。情報提供の最後は,主に講演者の討議ではなく,参加者の皆様からの質問を元に議論を行っていたいと考えています。ぜひ,この機会に多くのご質問をお願いいたします。ご質問は会場だけでなく,Webによる事前アンケートにて受け付けます。
[IS-001]
[新刊連動講座]心理ネットワークアプローチ入門
――行動科学者と社会科学者のためのガイド――
企画代表者 | 株式会社勁草書房 |
話題提供者 | 樫原 潤(東洋大学)、小杉 考司(専修大学) |
司会者 | 永田 悠一(株式会社勁草書房編集部) |
日時
2024年9月6日(金) 11:30〜13:10
会場
第1会場(2F シビックホール)
概要
心理ネットワークアプローチは,人間の心を一種の複雑系とみなし,複雑な心を統計分析の結果に基づいて理解・予測・制御しようとするものである。臨床心理学における「心理療法のテーラーメイド化」という文脈のなかで10数年前に提唱されたこのアプローチは,その後飛躍的な発展を遂げ,いまではパーソナリティ研究や社会心理学の態度研究など,心理学の幅広い文脈で活用されるに至っている。この心理ネットワークアプローチについてはNetwork Psychometrics with Rという体系的なテキストが2022年に出版されており,2024年にはその日本語翻訳版として『心理ネットワークアプローチ入門』が出版されることとなった。本企画では,『心理ネットワークアプローチ入門』の監訳者である樫原と小杉が講演者となり,アプローチがもつ価値と日本語版テキストの魅力を解説していく。
企画の構成は,以下のように計画している。まず,心理ネットワークアプローチを導入することで,どのようなものの見方やデータ分析手法がもたらされるのか,研究の実例を交えて解説する。具体的には,心理学で扱う構成概念(例:うつ病)を「多様なコンポーネント(例:うつの個別症状)の相互作用によって維持されるネットワーク」として捉え直すことができ,ネットワーク構造全体や個々のコンポーネントがもつ特徴について数量データ解析に基づいた議論が可能になるということを示す。次に,監訳者2名の専門性を生かし,心理療法への応用と複雑系科学(システム論)との接続性というそれぞれの観点から,心理ネットワークアプローチの発展可能性と今後の課題について議論していく。最後に,監訳者2名が考える『心理ネットワークアプローチ入門』という書籍の見どころについて,トーク形式で掘り下げていく。これらの講演を通して,心理ネットワークアプローチそのものがもつ革新性や面白さを伝えるとともに,初学者がゼロから学べるように工夫がこらされた書籍の魅力を伝えていきたい。
[IS-007]
Cooperating on issues of mutual concern
Special focus on inequality and well-being
企画代表者 | 日本心理学会 国際委員会 |
企画者 | 尾崎 由佳(東洋大学)、四本 裕子(東京大学)、パク ジュナ(京都大学)、城月 健太郎(武蔵野大学)、錢 琨(九州大学)、久保 尊洋(横浜国立大学)、毛 新華(神戸学院大学) |
話題提供者 | 大高 瑞郁(東洋大学)、佐々木 洋平(武蔵野大学)、Zhu Liqi(Chinese Academy of Sciences)、Li Lihong(Northeast Normal University)、Kim Eunha(Ajou University)、Kim Hyunsik(Sogang University) |
日時
2024年9月6日(金) 13:40〜17:00
会場
第3会場(3F A2)
概要
日本心理学会,韓国心理学会,中国心理学会は,2014 年より毎年持ち回りで「三カ国シンポジウム」を開催しています。今年度は日本心理学会がオーガナイザーの年です。これまでに,日中韓三カ国シンポジウムでは,様々なテーマについて発表やディスカッションを行ってきました。今回,新たな試みとして,「国際共同研究の種(seeds)をまく」ことを目指します。具体的には,日本からのシンポジスト2名がそれぞれ,自身のこれまでの研究成果を発展させるかたちで,日中韓の国際共同研究の構想(アイディア)を発表します。中国・韓国からは,関連する領域への研究に関心を持ち活躍されているシンポジスト各2名を招待し,それぞれの研究発表を行っていただきます。その後,全体討議において,各国のシンポジストの強みとバックグラウンドを活かすようにしながら,国際共同研究の種を育てることを試みます。本シンポジウムにおいては,将来の研究実施の可能性を広げるというプロセスを大切にしたいと願っています。会員の皆様にはぜひともご参加いただき,活発な議論に加わっていただけることを願っております。
[IS-005]
心理統計教育の標準カリキュラム・シラバスはいかにあるべきか(3)
――統計教育の実践に際する様々な工夫と挑戦――
企画代表者 | 日本心理学会 教育研究委員会 心理統計法標準カリキュラム作成小委員会 |
企画者 | 三浦 麻子(大阪大学)、小杉 考司(専修大学)、清水 裕士(関西学院大学)、高橋 康介(立命館大学)、森 知晴(立命館大学)、山田 剛史(横浜市立大学) |
話題提供者 | 富田 瑛智(帝塚山大学)、山内 香奈(成城大学)、本田 圭市郎(熊本県立大学) |
司会者 | 三浦 麻子(大阪大学) |
日時
2024年9月6日(金) 15:50〜17:30
会場
第2会場(3F A1)
概要
本委員会は,心理統計という研究の「道具」について十全の教授を行うために研究者あるいは教育者として何を学ぶべきか,その道筋を具体的に示すことを目標として発足しました。これまでに,多くの学部で必修科目となるだろう基礎統計科目「Basic Statistics(ベシスタ)」のシラバス案と,それに基づく到達度確認テスト環境を構築し,実際にいくつかの大学で活用していただいているところです。こうした状況をふまえて,本年度は,今後の方向性に資するべく,以下の3名の方々から話題提供をいただきます。
富田瑛智氏が勤務する帝塚山大学心理学部では,公認心理師養成教育のカリキュラムの一環として心理統計の科目が開講されています。そこで,私立文系心理学部の心理統計カリキュラムをご紹介いただいた上で,2年間にわたり統計学習の補助教材として「ベシスタ問題集」の一部を利用した教員・学生の感想を教えていただきます。
山内香奈氏からは,心理学を学ぶことが必ずしも求められない学科で心理統計を用いる研究を指導する際の工夫や苦労話を失敗談を交えつつご紹介いただきます。また,到達度確認テスト用の項目プールの項目に,標準シラバスに対応するルーブリックとの対応関係が示されると,教育の文脈でも活用しやすいことなどをお話しいただきます。
本田圭市郎氏からは,主に計量経済学を教える立場から,学際学部におけるデータサイエンスの取組,その中で統計・計量分析をどのように指導しているのか,学生はどのように身に着け活用しているのかについて,具体的には,教え方の工夫や授業・ゼミでの取組を,成果だけでなく抱えている課題や失敗例も交えつつご紹介いだたきます。
心理統計あるいはその教育に現に携わっていようがいまいが,ああこれは「じぶんごと」だな,と捉えてくださった方々のご参加を心よりお待ちしております。是非積極的にご意見・ご議論いただければ幸いです。
小委員会サイト:https://sites.google.com/view/jpa-psychometrics/
[IS-008]
Researchers crossing countries
企画代表者 | 日本心理学会 国際委員会 |
企画者 | 毛 新華(神戸学院大学)、山本 真也(京都大学)、家島 明彦(大阪大学)、大塚 由美子(中京大学)、温 文(立教大学) |
話題提供者 | Kong Garry(広島大学)、呉 長憶(大阪公立大学)、笠原 伊織(名古屋大学)、Sharma Nachiketha(京都大学) |
指定討論者 | 大塚 由美子(中京大学)、温 文(立教大学) |
司会者 | 家島 明彦(大阪大学) |
日時
2024年9月7日(土) 9:20〜11:00
会場
第1会場(2F シビックホール)
概要
Along with the globalization of education and research in psychology, personnel mobility has become remarkably intense. The people who are internationally active in psychology may become good examples for others who aim for in the future. This symposium will welcome four individuals with different backgrounds and valuable experiences to introduce their excellent stories. We believe abundant hints will be provided to those who want to study psychology as an international student in Japan or outside of Japan and who want to get an academic post in Japan as a foreigner.
[IS-010]
学部生・高校生プレゼンバトル
企画代表者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会 若手の会) |
企画者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会 若手の会)、前澤 知輝(筑波大学)、瀧川 諒子(早稲田大学,日本心理学会 若手の会)、川上 澄香(浜松医科大学,日本心理学会 若手の会) |
話題提供者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会 若手の会)、前澤 知輝(筑波大学)、瀧川 諒子(早稲田大学,日本心理学会 若手の会)、川上 澄香(浜松医科大学,日本心理学会 若手の会) |
司会者 | 工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会 若手の会)、前澤 知輝(筑波大学)、瀧川 諒子(早稲田大学,日本心理学会 若手の会)、川上 澄香(浜松医科大学,日本心理学会 若手の会) |
日時
2024年9月7日(土) 9:20〜11:00
会場
第2会場(3F A1)
概要
本企画は,その名の通り学部生と高校生による研究紹介をまとめ,発表する企画です。本年度は大会会場とオンラインでのハイフレックス企画となります。ゼミ研究や卒論の中間発表をはじめ,これから取り組もうとしている研究計画など,心理学に関係する幅広いテーマで10分間のプレゼンテーションと質疑応答をしていただきます。各発表は審査の対象となり,優れた発表には賞を贈呈します。
[IS-012]
高校生への心理教育と高校公民科教育との効果的なつながりを育むために
企画代表者 | 日本心理学会教育研究委員会 高校心理学教育小委員会、北川 恵(甲南大学) |
企画者 | 山本 博樹(立命館大学) |
話題提供者 | 唐沢 かおり(東京大学)、重岡 尚秀(熊本県立大津高校)、荻野 佳代子(神奈川大学) |
指定討論者 | 楠見 孝(京都大学)、伊藤 美奈子(奈良女子大学) |
司会者 | 北川 恵(甲南大学) |
日時
2024年9月7日(土) 13:40〜15:20
会場
第2会場(3F A1)
概要
公認心理師制度が立ち上がり、7回の国家試験を経て多くの公認心理師が誕生し、取得したスクールカウンセラー(以下SC)が学校現場にて、生徒の成長や悩みを支える心理教育を実践している。かたや、2024年度は新学習指導要領による「倫理」の授業が本格的に始まる年度である。とりわけ「倫理」で扱う内容のうち、「人格と感情」は、SCが心理教育として伝える知識やスキル(高校生の自己理解・他者理解、アンガーマネージメントやストレスマネージメント等)と関わりが強いと考えられる。本シンポジウムでは、高校生が心理学を学ぶ場として、実践的ニーズに沿った心理教育と、教科としての公民科「倫理」に焦点をあて、互いの内容を知り、効果的なつながりを生み出すための検討を行う。心理学者が公民科教科書執筆時に伝えようとしたメッセージ、その教科書を用いて授業を行う高校教師の教育活動、そして、教科外にてSCが行っている心理教育の内容について話題提供を行う。これらを受け、高校生が心理学を学ぶ意義、さらには、次期教育振興基本計画で目指される「ウェルビーイングの向上」につながる教育活動に心理学教育がどのように貢献できるかを考える。
[IS-013]
臨床神経心理の世界
神経心理学を臨床的な研究、アセスメント、心理的介入に活かす方法
企画代表者 | 日本心理学会教育研究委員会 講演・出版等企画小委員会 |
企画者 | 岡村 陽子(専修大学人間科学部) |
話題提供者 | 岡村 陽子(専修大学人間科学部)、坂本 麻衣子(佐賀大学医学部付属地域医療科学教育センター)、冨岡(藤森) 秀子(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター)、堀越 歩(西仙台病院) |
指定討論者 | 岡村 陽子(専修大学人間科学部) |
司会者 | 岡村 陽子(専修大学人間科学部) |
日時
2024年9月7日(土) 15:50〜17:30
会場
第2会場(3F A1)
概要
神経心理学を学んだ人は、フィニアス・ゲージやH・Mなどの脳に損傷を受けた人の話を知っているだろう。臨床神経心理学の世界では、そのような人々と日々臨床で向き合っている。臨床神経心理学は、脳と行動、情動の関係について理解し,神経心理学的な知識に基づいて、アセスメントや治療的な介入を行うための学問である。最近は、公認心理師取得のために必要な25科目のひとつに「神経・生理心理学」があり、多くの人が神経心理学に触れていると思うが、「臨床」神経心理学では具体的に何をするのかイメージがわかないかもしれない。本シンポジウムでは、身体疾患、脳血管障害、認知症といった領域で実際にアセスメントや介入を行っているシンポジストに、臨床神経心理学の研究や実践に関する話題を提供していただく。3人のシンポジストの提供する話題を通して臨床神経心理学の世界を紹介し、これから神経心理学を学ぶ人に、授業で興味を持った人に、今神経心理学分野にいる人に、そして臨床で実際に人を支援している人に、臨床神経心理学の世界を知ってもらいたい、この世界に入ってきてもらいたい、多くの人とつながっていきたい。そうした願いを込めて、今後ますます必要性を増す臨床神経心理学についてフロアとともに語りあうシンポジウムとして企画する。
[IS-018]
災害と避難の心理学
企画代表者 | 日本心理学会 認定心理士の会運営委員会、河原 純一郎(北海道大学)、河地 庸介(東北大学) |
企画者 | 河原 純一郎(北海道大学)、河地 庸介(東北大学) |
話題提供者 | 邑本 俊亮(東北大学)、前田 楓(立教大学)、矢島 潤平(別府大学) |
司会者 | 河原 純一郎(北海道大学)、河地 庸介(東北大学) |
日時
2024年9月8日(日) 11:30〜13:10
会場
第2会場(3F A1)
概要
平成28年(2016年)の熊本地震,平成30年(2018年)の北海道胆振東部地震,令和6年(2024年)の能登半島地震など,平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の後にも大きな地震災害は続いています。予測しにくく,生活や人生に深刻な影響をもたらしうるこれらの事態に,対応し,準備するために心理学の知識や技術はどのように貢献できるでしょうか。本シンポジウムは被災者支援や防災教育に関して3名の専門家からの話題提供を題材に,参加者と議論を深めたいと思います。矢島氏は熊本・大分地震における被災者支援活動,支援者支援及びロジスティクス業務についての実践事例紹介と災害支援の課題と展望についてお話いただきます。前田氏は大学生とその親を対象とする調査や実験事例のご紹介を頂き,より実践的な防災教育のあり方について議論したいと思います。邑本氏からは一般向けの防災講話の中にいかに心理学的知識を組み込んで伝えているの取り組みを伺います。そして小中学生を対象とした防災出前授業の効果測定の研究例,今後の防災教育の一形態として「学び手が伝え手になる震災伝承」の実践事例についてご報告を頂きます。
[IS-019]
心理学分野における若手の会の現状と展望
企画代表者 | 讃井 知(上智大学) |
企画者 | 富田 健太(名古屋大学,日本学術振興会)、板口 典弘(慶應義塾大学)、小林 恵(新潟大学) |
話題提供者 | 富田 健太(名古屋大学,日本学術振興会)、小林 恵(新潟大学)、浜内 彩乃(京都光華女子大学)、飯田 綱規(東北大学)、阪口 幸駿(科学技術振興機構) |
司会者 | 讃井 知(上智大学)、板口 典弘(慶應義塾大学) |
日時
2024年9月8日(日) 13:40〜15:20
会場
第2会場(3F A1)
概要
国内の心理学系各学会若手の会は,若手の交流促進,キャリア支援,心理学の今後の発展や社会に貢献していくことを目的に,様々な企画の立案・運営をしてきた。
しかし,こうした企画の多くは効果の検証がされていないため,果たして若手研究者にとって役立つものであったのかを振り返ることや,数多くの実践から得られた知見や効果を統合する取り組みはあまり行われてこなかったように思われる。加えて,設立から10年以上が経ち,組織として成熟してきた面がある一方で,若手が必要とする支援や活動の内容,若手を取り巻く環境の変化に十分に対応できているのかについても考える必要がある。
今後,心理学分野の若手研究者が力を合わせ,新たな知見を創出し,心理学の発展に寄与してくために,今回の企画シンポジウムでは,第一部でこれまでの活動を振り返り,第二部では,心理学の社会実装に関わっている方を招き今日若手の会に求められている機能・役割や,今後の展望について議論する場としたい。