講演情報

[O06-02]気候変動への適応とは?私たちの暮らしを守るためにできること★招待講演

*石崎 紀子1 (1.国立環境研究所)

キーワード:

気候変動適応

・将来,気候変動は私たちの暮らしにどのような影響を与えるのでしょうか?
・温室効果ガスを減らすだけで,気候変動の問題は解決するのでしょうか?
・私たちの暮らしを守るために、何ができるでしょうか?

気候変動に対する対策として,温室効果ガスの排出削減(緩和策)だけでなく,すでに起きている変化や将来予測される影響に備える「適応策」が重要であることがわかっています。適応策とは,気候変動による影響に備え、被害を減らす取組のことです。

例えば,猛暑による熱中症を防ぐために、冷房を付けて過ごすことも適応策と言えます。さらには、自治体などが地域に涼しく過ごせるためのクールスポットを設置することも適応策です。一方で,気候変動の影響は必ずしも「暑くなる」だけではありません。春先に気温が高くなることで植物の成長が早まり,桜や春に開花する果樹の開花が早まっています。その後に寒の戻りが起こることで、農作物が被害を受ける「凍霜害」も近年報告されているのです。このように,気候変動の影響は複雑で,地域や分野によって異なります。

日本は地形が複雑で地域ごとの気候差が大きいため,地域の特徴に合わせた適応策が重要です。近年は,将来の気候変動のシミュレーションをもとに、どのような影響が起こる可能性があるかを事前に調査し、対策の方針を検討する取り組みがはじまっています。

本講演では,気候変動によってどのような影響が予測されているのかを紹介するとともに,日本で進められている適応策の具体例を取り上げます。そして,科学的な気候予測情報が防災やまちづくり,農業などでどのように活用されているのかについて考えます。気候変動への対応は専門家だけでなく,一人ひとりの行動とも関わっています。本講演を通して,気候変動への備えについて皆さんと一緒に考えていきたいと思います。