有機半導体であるBTBT系分子はトランジスタ材料として注目を集めるが、高い正孔移動度の起源には不明な点が多く残されている。近年理論研究において、BTBT系の分子が他の有機半導体とは異なり、HOMOとHOMO-1の両方が関わる特異的な伝導機構を有する可能性が示唆された。本研究では金属基板上に作製したDPh-BTBT単分子層をモデル系として解析することで、HOMOとHOMO-1の混成を実験および理論の両面から示した。