講演情報

[21a-A305-1]光子対診断治療学の研究(概要)

〇島添 健次1、上ノ町 水紀2、重河 優大3、杉山 暁1、野村 幸世1、横北 卓也4、富田 英生5、寺林 稜平1、園田 哲3、向井 もも5、佐藤 健1 (1.東大、2.京大、3.理研、4.東北大、5.名大)

キーワード:

核医学,分子間相互作用イメージング,もつれ光子対

悪性腫瘍の診断治療においては、個人に最適化された治療薬の選定や奏功率の向上が求められている。PETやSPECT等の核医学診断技術は高感度な分子イメージング手法であるが、分子の集積のみを可視化可能で、分子周辺の化学環境を診断することは困難であった。本研究では放射性同位体の原子核から放出される2個のもつれ光子対の時空間相関を用いることでこれまでにpHや化学結合状態、超音波や磁場の計測に成功してきた。原子核スピンと外場の超微細相互作用を人体透過力を有するガンマ線を経由して検出することで、医学利用が可能な新たな量子イメージング手法となりうる。本研究ではこれらの技術を発展させ、より高感度な原子核の探索やプローブ分子、イメージング手法、分光、理論計算を組み合わせることで、核医学領域で利用可能な新たな生体環境イメージング診断・治療技術の創出をめざす。