講演情報
[21a-D902-4]結合指向性を有する神経細胞ネットワークの in vitro-in silico モデリング
〇門間 信明1,2、山本 英明1,2、室田 白馬1,2、守谷 哲2、藤原 直哉4、平野 愛弓1,2,3、佐藤 茂雄1,2 (1.東北大院工、2.東北大通研、3.東北大 AIMR、4.東北大院情報)
キーワード:
マイクロ流体デバイス,培養神経回路,軸索
神経細胞ネットワークの結合構造と発現する活動パターンの関係,すなわち構造機能相関の理解は,脳機能の神経基盤の解明を進める上での基本的なアプローチである.それに対する手段として近年,分散培養系で非ランダムな構造を持つ神経細胞ネットワークを再構築する技術が開発されている.その結果,生物の脳神経系で進化的に保存されてきたモジュール構造型神経回路では,過剰な同期性が抑制され,同期と非同期が混在した複雑な発火パターンが発現することが明らかになった.これらの実験はモジュール性結合の機能的意義について新たな知見をもたらしたが,モジュール同士は双方向に等確率で接続されていた.一方,生体神経回路のモジュールは非対称的に指向性を持って接続されている.そこで本研究では,in silicoモデルとin vitroモデルの両面から結合指向性がネットワーク活動の同期性に及ぼす影響を調べたのでその結果を報告する.