講演情報

[8a-N303-1]氷Ih相の固体酸素17核磁気共鳴(NMR)スペクトルの解析

〇山田 和彦1 (1.日大理工)

キーワード:

固体酸素NMR、氷

固体酸素17核磁気共鳴(NMR)法を用いた氷Ih相における水分子の動的挙動解析の結果を報告する。143Kから室温までの温度領域において、水分子の酸素核を測定対象とした固体酸素17NMRスペクトルを得た。143Kでは典型的な二次の四極子相互作用を示す実験スペクトルを観測した。243Kまで温度を上げると、線形を保ちながら広幅化した。Ratcliffeモデルにおける水分子の再配向運動を考慮することで、線形変化を説明することができた。253K以上では、予想に反して、線幅を有する等方的ピークを観測した。本発表では、これら等方的ピークの出現理由を中心に、氷における水分子の再配向運動について議論する。