講演情報
[9p-S201-5]機能性高分子ブレンドを用いた電気化学トランジスタ素子の作製技術
〇山本 俊介1,2、金田一 修平2、松原 亮介3、久保野 敦史3、Giridharagopal Rajiv4、Ginger David S.4、三ツ石 方也2 (1.京大院工、2.東北大院工、3.静岡大工、4.ワシントン大)
キーワード:
有機電気化学トランジスタ、表面偏析、高分子ブレンド
有機電気化学トランジスタ(OECT)の高機能化には、複数の材料を集積する必要があり、従来は多段階の塗布プロセスが課題となっていた。本研究では、代表的な導電性高分子PEDOT:PSSと温度応答性高分子PNIPAMを水溶液中で混合し、架橋剤添加後に単一プロセスのスピンコートで自発的に二層膜を成膜する新しい手法を提案した。X線光電子分光(XPS)による深さプロファイル分析により、表面にPNIPAM、基板側にPEDOT:PSSが偏在する二層構造が自発的に形成されることを明らかにした。電気特性評価の結果、PNIPAM添加により温度に対して可逆的な応答性(±4%/10°C)を示しつつ、従来同様の高い伝導性も維持できることを示した。本成果は、OECTの簡便な作製プロセスによる高機能化と今後の多様な応用展開に貢献するものである。