講演情報

[2I-01]詰め替え化粧品における菌数と使用感の経時的変化の検証

〇家田 与志子1、野口 友嗣2、片岡 祥幸1、飛田 啓輔2 (1. (株)鈴木ハーブ研究所、2. 茨城県産技セ)
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キーワード:

リフィルボトル、詰め替え化粧品、SDGs、環境

目的
SDGsへの取り組みが注目される中,化粧品においても地球環境に配慮して詰め替え (リフィル) ボトル化が進んでいる.しかし,リフィルボトル化粧品の再利用の期限については明確な基準はなく,各メーカーやユーザーに委ねられている.本研究では,リフィルボトル化粧品中の菌数とモニターによる使用感を経時的に調べたので報告する.

方法
試験には乳液と化粧液の計6種類の化粧品を用いた。未開封の化粧品の保存性は,25℃または35℃で6カ月間保存後の生菌数によって評価した.さらに,ブドウ球菌であるStaphylococcus aureusおよびS. epidermidis を未使用の化粧品に添加し,それらの増殖性を調べた.また,モニター試験は6群 (各8名) に分け,同一の化粧品を6カ月間毎日使用するように割り当てた.なお,化粧品は月1回補充し, 1カ月毎にアンケートによる使用感を,2カ月毎にリフィルボトル内残液中の生菌数を調査した.

結果
25℃と35℃で6カ月間保存した未開封の化粧品からは一般生菌や大腸菌群は検出されなかった.また,すべての化粧品には添加したブドウ球菌の増殖抑制作用が見られた.一方,6カ月間のモニター試験ではリフィルボトル内の化粧品残液から,一般生菌,大腸菌群,および黄色ブドウ球菌は検出されず,アンケートの結果では使用開始時と比べて化粧品の使用感の変化はほとんどないことがわかった.