講演情報

[2I-04]家庭から出るごみの実測調査に基づく循環型社会に向けた家庭ごみ削減の可能性

〇笹岡 恵梨1、三神 彩子1,2、赤石 記子2、日原 真由美2、木村 康代1、長尾 慶子3 (1. 東京ガス㈱、2. 東京家政大、3. 元東京家政大)
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キーワード:

家庭ごみ、ごみ削減、循環型社会、脱炭素社会、行動変容、食品ロス

目的 循環型社会,脱炭素社会への移行に向け,限りある資源を大切にし,ごみの発生抑制を考えた生産と消費を行う必要がある.そのためには生活者の意識や行動変容も必須である.家庭ごみの削減は,埋立地不足の問題だけでなく,食品ロスやマイクロプラスチック問題,ひいてはCO2排出量削減に向けても重要な課題である.そこで本研究では,家庭ごみ削減の可能性を実験的に検討することとした.
方法 T大学の2年生70名(有効数)を対象に,家庭でのごみ廃棄の現状とごみ削減の可能性を検討するため,いつも通りに生活し1週間分のごみの計量と記録後,ごみ削減に向けたワークショップを1時間実施し,1週間分のごみの計量と記録を実施した.さらに,改善点検討のためのワークショップを1時間実施後,ごみ削減に取り組み1週間分のごみの計量と記録を行った.併せて、アンケート調査を行った.
結果 今回の実測調査から,家庭ごみの約29%の削減を確認した.内訳をみると,生ごみは約15%,可燃ごみ(生ごみ除く)は約33%,紙類は約31%,プラスチック類は約25%の削減につながった.生ごみは特に食品ロスの削減が目立った.可燃ごみは,紙やプラスチックを資源ごみとしてしっかり分別するようになっていた.アンケートからは詰め替え製品を買う,長く使えるものを買うなど,購買行動自体を見直している様子が見られ,ごみ削減を意識し,実践することで家庭ごみ削減の余地があることを確認した.