講演情報

[2J-05]多様化する結婚に関する高校生の意識

〇李 璟媛1、田邉 詩歩1 (1. 岡山大)
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キーワード:

多様化する結婚、高校生、質問紙調査

「目的」本研究の目的は多様化する結婚に関する高校生の意識を明らかにすることである。
「方法」2022年に岡山県内の高等学校5校の協力を得て質問紙調査を行った。主な質問項目は、属性、結婚に関する考え、婚姻制度に対する意識,結婚に関する学習希望などである。
「結果」①法律婚を希望する高校生は8割以上、事実婚や非婚を希望する高校生はそれぞれ1割以上、結婚希望年齢は男子が29.3歳、女子が29.1歳である。②夫婦の姓については、夫婦別姓希望が2割程度、同姓希望が多く、男子は自分の苗字、女子は配偶者の苗字による同姓を希望している。③離婚や再婚、事実婚、国際結婚をした人等、自分の周囲に多様な経験をした人がいる高校生ほど、多様な結婚について肯定的である。④結婚する理由については、男子は周囲の期待や社会的信用などの社会的側面を、女子は経済的余裕という経済的側面をあげる傾向がみられた。⑤法律改正等については、選択的夫婦別姓には8割以上、同性婚には9割以上の高校生が支持している。⑥高校生の多くは、日本における未婚化や晩婚化の理由、同性婚、夫婦別姓などに関心があり、家庭科の授業においての学習を希望している。本研究では、高校生は現代の多様な結婚のかたちに興味や関心を持ち、容認している傾向にある一方で、自分の将来の結婚に関しては、依然として性別役割分業意識に基づく考えを持っていることが明らかになった。