講演情報
[2K-05]小学校低学年の児童が使用するハンカチの衛生状態に関する研究
津谷 百花1、〇川端 博子1、川上 裕司2 (1. 埼玉大学、2. 東京家政大(非))
キーワード:
抗菌加工ハンカチ、微生物検査、真菌、細菌、児童
目的 学校は感染症のリスクが高く、感染防止策の一つとして手洗いの啓発が推奨されてきた。しかし手洗い時に使用するハンカチの衛生的な使用法の指導基準はない。本研究では、児童が使用したハンカチの微生物検査を行って衛生状態を把握し、問題点と改善案を検討した。
方法 2022年夏季に35名、秋季に18名の小学校2年生の児童を研究対象とした。綿100%の同一素材の抗菌加工または無加工ハンカチを配付し、登校時~下校時にいつも通りの使用を依頼した。ハンカチの重量変化を計測し、一般細菌用、大腸菌・大腸菌群用、真菌用の3種の分離培地を用いて培養後、各生菌数を測定した。更に、単離・純培養を行い、単離した細菌と真菌の菌種の同定を試みた。
結果 ハンカチの使用後、重量は全て増加しており、重量がより大きく増加したハンカチが一般生菌数、大腸菌・大腸菌群数が多いこと、無加工ハンカチが抗菌加工ハンカチよりも同生菌数が多いことが示唆された。夏調査で多く細菌と真菌が検出されたのは、微生物の増殖の最適温度に近いことが一因と考えられる。分離した細菌は、グラム陽性球菌とグラム陽性桿菌が大半であった。また、真菌は糸状菌と酵母菌10数種が同定された。抗菌加工は真菌の増殖を抑制しておらず、細菌と同じく夏調査でより多く分離された。 本調査から、特に夏季のハンカチの衛生管理が大切であり、特に給食前の手洗いでは新しいハンカチに使い分けることが望ましいことを啓発したい。
方法 2022年夏季に35名、秋季に18名の小学校2年生の児童を研究対象とした。綿100%の同一素材の抗菌加工または無加工ハンカチを配付し、登校時~下校時にいつも通りの使用を依頼した。ハンカチの重量変化を計測し、一般細菌用、大腸菌・大腸菌群用、真菌用の3種の分離培地を用いて培養後、各生菌数を測定した。更に、単離・純培養を行い、単離した細菌と真菌の菌種の同定を試みた。
結果 ハンカチの使用後、重量は全て増加しており、重量がより大きく増加したハンカチが一般生菌数、大腸菌・大腸菌群数が多いこと、無加工ハンカチが抗菌加工ハンカチよりも同生菌数が多いことが示唆された。夏調査で多く細菌と真菌が検出されたのは、微生物の増殖の最適温度に近いことが一因と考えられる。分離した細菌は、グラム陽性球菌とグラム陽性桿菌が大半であった。また、真菌は糸状菌と酵母菌10数種が同定された。抗菌加工は真菌の増殖を抑制しておらず、細菌と同じく夏調査でより多く分離された。 本調査から、特に夏季のハンカチの衛生管理が大切であり、特に給食前の手洗いでは新しいハンカチに使い分けることが望ましいことを啓発したい。