講演情報

[2K-06]吸水ショーツの快適性研究―日本と韓国の製品比較-

〇松井 有子1、金 元輝1、佐藤 真理子1 (1. 文化学園大)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

吸水ショーツ、熱水分特性、着用シミュレーション実験

目的 女性のQOL向上やエンパワーメント推進が着目される昨今,フェムケア・フェムテックに関する市場が活況を呈している.月経分野においては,日本の「生理の貧困」の社会問題化,韓国の安全な生理用品を入手できる権利,さらにSDGsの観点から,繰り返し使用可能な吸水ショーツに注目が集まっている.本研究では,日本と韓国の吸水ショーツを対象に熱水分特性評価と着用シミュレーション実験を行い,消費者が求める快適性に叶うものか,製品の評価基準作成への寄与を目指す.
方法 日本と韓国の吸水ショーツ計7種と紙ナプキン2種を用い,熱水分特性評価として,透湿性,吸水性,接触冷温感の測定,及び着用シミュレーション実験を行った.
結果及び考察 透湿性(蒸発カップ法)では韓国製品の値の高い傾向が示された.接触冷温感評価で,非吸水時と吸水時を検討したところ,韓国製品の一部で吸水時の値が非吸水時の3倍にもなり著しく冷たい様子が示された.着用シミュレーション実験におけるショーツ内温湿度測定では,吐水直後に温度が低下する試料と低下しにくい試料に分類された.以上,本研究でとりあげた吸水ショーツは,熱水分に関する性能の製品間差が大きく,それぞれの特徴に応じた使い分けをすることで,快適な使用につながると考えられる.また,着用シミュレーション実験による評価が有効である可能性が示唆された.